ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)

2021年 日々浴浴

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2021年4月16日

最近、骨伝導イヤホンを購入してみました。
もともと耳ダレの多い方なので、きれいにすることをいつも注意していて、イヤホンタイプだと、どうしても汚れるような気がして、過去、清掃を繰り返し、何回も変えてきた。
骨伝導そのものは、知られていたようだけど、機器になったのは最近。
第二次大戦中の戦車に使われていたけど、ガルパンでもおなじみの咽喉でマイクを抑えて通信するという咽喉マイクも一種の骨伝導利用なようにも感じられる。
四号戦車もいいが、三号突撃砲のシンプルなスタイルが抜群。プラモデルは購入済みで、あとは作る時間を見つけるだけ。
それが、眼についたので、購入。
いい。耳の穴を塞がないのがいい。音漏れも少ない。まったくないわけじゃないけど、気にならない。
老人性難聴になりつつあるけど、これも対応策になるなあと思いつつ、補聴器は高いんだよねえ。耳の形状に合わせるカスタマイズをすると相当な金額になるし、これでも充分だよねと思える。
耳ダレが気になって、補聴器はイヤだなと思ってたけど、思わぬ対策を発見してしまいました。
周りの音が聞こえるのも良好。
寝ながら使うには適しているものと適してないものがある。スポーツしながら音楽をというのが基本コンセプトだが、わたしゃ寝ながら聞くというのが基本、なかなか適当なものがなかったが、これはいけるかなというのを購入。
気に入ってます。
技術の進歩は、ひたひたと押し寄せているのですね。
と、いうことで『謎SF』は、明後日のお題になります。

アドセンスの設定を変えたら、なんとなく気に入らない。けど、大事な収入源なので、ご理解をよろしくお願い致します。

2021年4月10日

本です。『伝説の艦隊2 〈ウォリアー〉』 ニック・ウェブ(Nick Webb) ハヤカワ文庫SF 2021/ 2/17
少し間が空きましたが、二巻目です。
どう考えても『ギャラクティカ』の展開で、これも誰がスパイなのかの攻防戦。でも、なかなか良い感じで構成してる。期待は持てるかなというところ。

映画『fukushima 50』を見たんですけど、美談になっているよねと思いつつ、当時の首相を悪者にしているのだが、なんというか、これでいいのかと思った次第、東電の責任よりも政府が悪いんだという感じを拭いされない。
で、HBOドラマ『チェルノブイリ』を見てしまいました。
『チェルノブイリ』の場合、ドラマでもきっちり、原因は何か、が追及されている。東電、福島の場合は想定外の津波はあったのは確かだが、なぜ、その程度で抑えてしまった理由まで、つきつめている姿勢がない。どうせならば、関係者に聴取し、「映画だから、いまここで、世界に我々の考え方を伝えるべき」という説得もなく、「起ってしまった」というニュアンスは許せない。
起ってしまったことに対して、どう努力したか、だけで終わらせるのは惜しい。
あと一歩、あと一歩という「突っ込み」がない。
リスク管理の基本は、「それでいいのか」ではないのでしょうか。
作りての自己満足で終わるのでしたら、勿体ないです。
もう一歩、あと一歩、それが作りてに課せられた宿命ではないですか。
桜を見て、満足できるわけではありません。
日本人の悪い癖が出たような気がします。チームでひとつの可能性を追い求めるのを苦手とする国民性、ひとつのアイデンティティーに頼りきる部分が、感じられてしまう。
日本のドラマや、映画に、言いようのない不満を感じるのは、底まで考えていないようなところを見いだされるからなのですが。
それはそれでいい部分も確かにあるが、どこか納得しきれない。

2021年4月3日

最近は電子ブックで読むことが多くなりつつある。今回は、「あ、良かった」と思ったのはイラスト、色付きなんだよね、思わず申し訳ないけど書店で実物を確認してしまいました。

『この地獄の片隅に -パワードスーツSF傑作選』 Armored (2012)editor:J・J・アダムズ(John Joseph Adams)
translator:中原尚哉 Publisher:創元SFブンコSF-ン-10-2 cover/illustration:加藤直之 design:岩郷重力+W.I commentary:岡部いさく 2021/ 3/12 ISBN978-4-488-77202-4

パワードスーツのアンソロジーである。いろいろ趣向を凝らしており、視点は人間側、もしくはスーツ側、未来、過去のスチームパンク風に、ちょっとほんわか系まで、ある。
なかなか良い作品が揃っており、特に作家ごとの作風がいかにもというイメージで書かれているのがおもしろい。
楽しませていただきました。

しかし、一部抜粋であると読み、じゃオリジナルは何があるのと疑問が湧く。信頼できる中原尚哉氏のセレクトに疑問を持つわけではないが、アンソロジーは並んだ順番にも意味がある。
ということで、原書は下記の順番。

カードの序文を読んでみたいな、ちょっと違うような気もする。
ほのぼの系の「猫のパジャマ」をラストに持ってきていたが、原書では序盤、いいなと思った「天国と地獄の星」の前なのねと、赤いドレスも印象的な「アーマーの恋の物語」。
こんな作家だっけと思ったロワチーとショーン・ウィリアムズ。
わりと「ドン・キホーテ」が好み。
ジャック・キャンベルはらしくていい。
未訳の中で気になるのは、ロバート・ブートナー、どんなの書いたんだろうかと。

中原尚哉様、今年はすごい勢いで訳書が出そうで、びっくりしてます。

2021年3月27日

『十日間の不思議』 Ten Day's Wonder エラリイ・クイーン(Ellery Queen)
ライツヴィル三作目で、最高傑作と言う方もおられる作品である。
むかし読んでたはずだけどと思うが、新訳版で読み始めると、一気に引き込まれた。いや、昔は何を読んでたんだと反省しきり。
「後期クイーン問題」とかは避けてしまおう、単純に、完璧な探偵が、この作品で穢されたのだと感じた。
前二作も、そういう作品だったが、ここで加速したようだ。
読んだ結果、ああ、いろいろ考えられる作品なのは間違いないが、どことなく底辺にある宗教色を感じるところから、「穢す」という表現にした。
失敗と言えば言えるが、失敗ではなく、何か違う色合いのものを感じた。
日本では、宗教的な扱いは難しく、民族的な背景にはなかなかなりえないが、例えば「社会問題」「家族問題」「異様な犯人像」「異質な動機」「問題ある犯罪」等々に、この「穢れ」は変化していったように思われる。
傑作、問題作と言われるのも、よくわかるが、エラリイ・クイーンというと、純白なイメージが個人的には持っていた。
だから汚されるようなイメージを感じたんだと思う。

改めて読めてよかった。こんな傑作を忘れているなどとは…

2021年3月20日

『フレドリック・ブラウンSF短編全集』 フレドリック・ブラウン(Fredric Brown)

全4巻が揃った。
一巻目が出たのが、一昨年になるのか、早いものだって、この一年くらいは、かたつむりの歩みぐらいにしか感じられなかったのだが。
ストレスで、いまだに胃は痛いは、足はむくむわで、苦労は絶えないが、新しい仕事で、すこしばかり身体を使うようになって、体力的に元に戻りつつあるようだけど、寄る年波に勝てず、回復力がにぶい。
ヨレヨレしながら、なんとかやっている状態。しかし、読んでいる。

ファンになったきっかけの作家で、一巻目から読み通してみた。
傑作と愚作の振幅の幅があまり大きくなく、それほど違和感なく、読めるのが、驚く。くだらないなと思うアイデアでさえ、傑作の間にあっても、なんとなく存在感を感じさせる。
これ、作者が気負いなく書いているからなのではないかと思う。
このアイデアは傑作だ、とか、こいつは秀作だとかの力を入れず、書いたら、良くなっていたとか、書いたら、こんな出来になってしまったということなんじゃないかと思う。
ダジャレが多いだとか、「なに、これ」も確かにあるが、傑作との落差が少ない。才能なんだろうな。
とっても素敵。
『J・G・バラード短編全集』 J・G・バラード(J. G. Ballard)『カート・ヴォネガット全短篇』 カート・ヴォネガット(Kurt Vonnegut)、と、いっしょに見つめながら、いいなあと思うのです。

で、次は誰をまとめてくれるのか。
ゼナ・ヘンダースン(Zenna Henderson)とか、シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon)ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(James Tiptree, Jr.)ロバート・シルヴァーバーグ(Robert Silverberg)フリッツ・ライバー(Fritz Leiber)デーモン・ナイト(Damon Knight)R・A・ラファティ(R. A. Lafferty)ウィリアム・テン(William Tenn)ロバート・シェクリイ(Robert Sheckley)

全集は無理でも、「50年代作家集」とか、「60年代作家集」とか、「80年代」から、今まではあるのだから、ほんの少し遡ってくれてもいいんだけどなあ。

2021年3月14日
『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳四十年』 田口俊樹を読む。
ほぼ、いっぱい読み始めた時に、訳本が出始めた。ミステリの良い読者ではないが、境界線上の作品も多い。しかし、『オルタード・カーボン』 Altered Carbon リチャード・モーガン(Richard Morgan)には、え、このひとが、と思ったものだ。
ローレンス・ブロック(Lawrence Block)は、読みたいなとずっと思っているのだが、そのまま過ぎそう。
『世界のハーモニー』 Harmony of the World チャールズ・バクスター(Charles Baxter)は、文庫化されていないけど、わたしもつくづく良いなと思ったのを懐かしく思い出します。
『神は銃弾』 God is a Bullet ボストン・テラン(Boston Teran)も読んでいるのだが、あまり記憶がない。
『パナマの仕立屋』 The Tailor of Panama ジョン・ル・カレ(John le Carré)も、読んでいない。
そうだ、思い出した、年取ったときの楽しみのひとつにル・カレがあった。『寒い国から帰ってきたスパイ』とか『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』とか、も一度読もうと思ってたんだっけ。
読むのに苦労する。翻訳されたものですら、いろいろあるのだから、それを読み解く力も必要になる。
一読、翻訳するがわにもいろいろあるわけだから、読むほうも、それなりに読解を要求されるというところでしょう。横を縦にするだけではないのだから、楽しむには、それなりのものが要求されるようにも思う。
違うと思われる方もいると思うが、完璧な訳はないのだから、想像力を働かせてくれるような訳がいいと、勝手に思っています。
けどね、こんなこと言うと、叩かれそうだが、チャンドラーは、…なのよ。

2021年3月6日
Youtubeで「うっせぇわ」を聞く。遅ればせながら、草の根ネットのMIDIからボーカロイドから、よくパソコン音源のものは聞いていたけど、曲調はボカロ。
ボカロでは、グロからエロからなんでもありなので、多少、過激なのはなんとも思わないが、声とのマッチ、声の聞きやすさはいい。
日本語はシラブルなので、節で区切る言葉なので、早いと音に乗りにくいよねとは思ってた。英語のように歌う日本語だとか、それなりの工夫はあるけど、どうなんだろうと思っていたが、初期のボカロの「初音ミクの消失」を聞いたとき、ぶっとんだね、人間はとてもじゃないけど歌えないよねと、一音に一音、ここまでくるとボカロはどうなるのかと思っていたが、それほど遠くまでは行かなかったというところか。
しかし「うっせぇわ」は、そんなに何回も聞きたくはないな。「ギラギラ」の方がいいかも。
なんとなくフレーズに80’年代の匂いがあるのは気のせいか。それとも意図か。
過激な言葉で批判しようとして、直接怒鳴られてるだけでは、なんか違う。ダブルミーニングが良いというわけではないけど、う~む。

『ゲーム・オブ・スローンズ』を第一章から第八章まで見る。
第六章から第八章までの怒涛の展開には、一気に見ると疲れる。おかげでまったく読めず、また書けず、どうも原作者にはファム・ファタール、悪女ものが多いような気もするのだが、デナーレス、竜の王女と、サーセイ(サーシイと聞こえる。)の人間界の女王との一大決戦だが、まあ、二回めなのだが、これでいいのかという感じはある。
S-Fマガジンの酒井昭伸氏のエッセイによると、まだ違うお楽しみがある。ドラマはドラマですね。
イラストレーターの佐治嘉隆氏も亡くなっていた。ブラッドベリの『火星年代記』と『太陽の黄金の林檎』が、別のイラストだったら、読むのがもっと遅かったと思う。
しかし、旧版のため、そのイラストの本はない。画像だけ掲載するわけにもいかず、わかるひとはわかるよねとしか言いようがないな。
ご冥福をお祈りいたします。

2021年2月14日
「その女、ジルバ」の池脇千鶴が凄すぎて、思わず見入ってしまう。いやー、素晴らしい、こんな演技派だっけと思う。
会社員になったのは1980年、昭和55年、その年に産まれた方が、40歳なんですね。いま、63歳になって、思う所あって、定年で引退。
40年か、しかしまだ非常勤で働くので、まだまだ続くけど、もう責任ある地位はしんどいかな、しかし権力への要求を鬼のように持っているひともいっぱいいるけど、そこまでの気力はなし。
会社員20年、いろいろあって一年、起業して10年、会社員で10年、一区切り。SFを読むぞと思うものの、いままで電車の中とかで読んでいたので、家ではなかなか読めない。困ったもんだ。
しかも家では誘惑が多すぎて、余計なことばかりしている。

『炎と血』の一巻目を読んだら、これが驚くくらい断片集、あちゃー、読めないぞ、こんな断片ばかりじゃ、整然と読むには辛すぎるぞと思う。
読み返すには辛いが、テレビドラマは見れる。第一章から再び見ている。通して見るのは、はじめてなので、いろいろ気がつくことがあったが、たぶん、読む側、見る側にも知識というか作品世界の背景を理解しておくことを強要されるようなところがあり、それが少し辛い。
特に名前は、頻出する海外名前が、覚えにくい。日本で、いまいち受けないのは、うじゃうじゃ似た名前が出てくるし、その人間関係の複雑さたるや、戦国時代かくあるし、のような煩雑さ。
たぶん日本人には戦国時代という凄い事実があって、それを紙上に、再演しようとしているように思われる。SFという名を借りて。
いっそのこと日本人の名前に翻案したら、受けるかもって、それはないな。
ともかく正編を早く書いてくだされ。
わたしは待っています。

2021年2月8日
『茶匠と探偵』 The Universe of Xuya Collection #1 アリエット・ド・ボダール(Aliette de Bodard)も候補のひとつでしたね。
落ちてました。すいません。

赤江瀑を読んだのは、1982年の講談社文庫『獣林寺妖変』、収録作品は「獣林寺妖変」「ニジンスキーの手」「禽獣の門」「殺し蜜狂い蜜」。
傑作ばかりで、ひとつひとつに驚いたことが鮮明に覚えている。

『天上天下 -赤江瀑アラベスク〈1〉』東雅夫編、創元推理文庫 F-あ-2-1 2020年12月25日 ISBN978-4-488-50504-2
収録作品、
「海峽──この水の無明の眞秀(まほ)ろば」(1983年8月)
「星踊る綺羅の鳴く川」(小説現代メフィスト 1997年9月増刊号)
「上空の城」(野性時代 1976年6月号)
エッセイ「わが街、蠱惑」「伽羅先代萩」「桃源郷の罠」
「赤江瀑インタビュー」幻想文学 2000年2月 第57号
で、構成されている。「海峡」と「上空の城」は読んではいたが、ほぼ記憶なし。最近、こんなことばかりだ。「星降る綺羅の…」は、なかなか凄い一篇。
正直言ってしまうと歌舞伎とか、能とか苦手で、はっきり言うと知識ゼロ、それでも、耽溺できる作品である。
「野性時代」角川書店の雑誌で、大判で分厚い雑誌だったけど、この頃、1976年から1980年頃、まめに読んでいた。
当時、読んだとき、「上空の城」は、おもしろいと思ったものだが、今回も傑作と思ったが、そのなんというか、展開上のストーリーが時代なのねと懐かしく思った次第、1970年代の香りがあるし、今じゃこのストーリー展開は厳しいよねと思いつつ、半世紀前のリアルを感じ取れたのが良かった。
あと、二冊、いずれ読みなおしたい作家のひとりであったけど、いいタイミングで読ませていただいた。
ありがたいことです。

2021年2月1日
今年もまた、SFベスト10の時期であります。昨年、翻訳された海外SFは、わりと話題作もあったりして、豊作だったのかなと思える。
ベスト10に選ばれるだおうなと思われるのは、

この中でのベスト1になるとさっぱりわからない。けど、個人的にだ、昨年の年末に出た、『マーダーボット・ダイアリー』 The Murderbot Diaries マーサ・ウェルズ(Martha Wells)を、押しておこう。

『宇宙(そら)へ』は良いとは思うが、あざとさが目立つような気がする。同じように『タイムラインの殺人者』も感じる。『歴史は不運の…』もおもしろいんだけど、それほどかと思う。
『三体 2』はいまいちだったし、『ボーン・クロックス』は購入できなかった。分厚いし高いし…、読みたいんだけど、アトウッドの『誓願』も同じです。
『アンドロメダ…』の続編は、なに、これ無茶してんじゃないかというオマージュなのか、突破しようとしているのか、謎。
『空のあらゆる鳥を』もよかったんだけど、あまり覚えていない。『ナインフォックスの覚醒』も同様。
『新キャプテン・…』は、おもしろいが、この作家にはもっと、訳した方がいい作品があるはず。
『サイバー・ショーグン…』は三部作の最終巻だが、おもしろさが少しかけている。
『第五の季節』は、ああ、こういうマイノリティの物語なのはわかるが、日本人のわたし的には、ゆったりしすぎてて、物足りない。
『時間旅行者の…』はアイデアはおもしろいけど、小説かという疑問があるし、『荒潮』は、まったくおもしろく読めなくて、『月の光』は良かったけど、前のアンソロジーに比べると小粒か、『メアリ・ジキルと…』は、ふむふむ、わかるがとっちらかった感じがあるし、『黒魚都市』は、なにがおもしろいのか、さっぱりわからない。
『オルガスマシン』は復刊だし、単行本は持っているが、読んでなかった、今回読んだが、過激とは思わない。
と、いうことで、年末にでた、この二冊、『2000年代海外SF傑作選』 editor:橋本輝幸(Hashimoto Teruyuki)『2010年代海外SF傑作選』 editor:橋本輝幸(Hashimoto Teruyuki)は、来年の評価でしょう。

韓国の作家もわりと出ているし、評判は高いのだが、触手がまったく動かなかったので読んでません。たぶん、上位に一冊は食い込んでくるでしょう。
と、いうことで、アンソロジーに期待して『シオンズ・フィクション』あたりかなと思われる。たぶん、2位か5位あたり。
けどね、どうにも宗教がらみの部分もあり、何か読み間違えてるのかなと思わないでもない作品もある。
トップはわかりませんが、『空(そら)へ』かなあ。
しかし、東京創元社と早川書房と竹書房だけなんで、河出とか白水とか、国書とか、新潮、講談あたりに凄いのがあるかもしれません、資金と気力の続くかぎり読んでみたけど、去年は本当に疲れた年だったので、かなりな読み間違いをしている可能性はあるのだけど。

2021年1月25日
『災厄の町』 Calamity Town エラリイ・クイーン(Ellery Queen)

昔、学習雑誌、小さい子向けにはあるようだけど、小学生、中学生、高校生には絶滅種らしい。その付録に、ちっこい手帳サイズの特集があった。
アブリッジされた小説とか、『怪奇はこれだ』とか『SF入門』とか、あった。その中に『トリック百科』みたいなものがあった。ミステリのトリックを集めたもので、出典は明らかにしてないけど、有名なトリックを集めたもので、何度も何度も読み返したものである。
崖に向かって、歩く足跡とか、傷跡がいっぱいあるとか、そんなのがいっぱい、子ども心に、よくわからないなあというトリックもあった。
それが、あ、これかあと思った。
トリックだけ抽出すると、「そんなもん、すぐわかるじゃん」と思っていて、「こんなのはトリックにならん」と、ずっと思っていた。
まさか、それがこの作品だとは、まったく想像もしていなかった。
本の半分近くで、ようやく事件が起きる。
それまでは、しつこいくらいの家庭の事情が書かれる。なんなんだよと、昔は思ったかもしれないけど、今は、ゆっくり読める。
いや、まあ、そうなんですね、久々にびっくりしました。
良い読者ではないミステリ読みだけど、いまさら、こんなに衝撃を受けるとは、思わなかった。
改めて思うけど、読まず嫌いは、良くない、けど、たまに読むと衝撃を受ける。
おもしろい、さて、読まず嫌いは、いくつかあるが、次は誰を読もうか。

2021年1月17日
『フォックス家の殺人』 The Murderer Is Fox エラリイ・クイーン(Ellery Queen)の新訳版が出た。
クイーンというと、あまり読んでないのは確かなんだけど、有名なライツヴィルもの、本人は読んでないと思い込んで、読み始めてみると、わりとおもしろい。あれ、こんなにおもしろかったっけと思いつつ、読了。
ふと、リストを見ると、大昔に読んでいたようだ。『十日間の不思議』は読んでいるのは間違いないが、これ、読んでたっけと首を傾げる。ネタ的には有名なトリック(と言えるのか?)なんで、たぶん読んでるんだろうけど、まったく記憶になかった。
純粋に楽しめたのは、驚きでした。若いときは、なにがなんでも読んでやろうという想いだけで、すっ飛んでいたので、少し余裕ができて行間を楽しめるようになったのかもしれない。
ちょっと読んでみようかなという気持ちにもなる。
『短編ミステリの二百年』を読んでいると、これも読んでないとか、あれも読んでないとかという気分になるので、なにかしら、読む意欲を起こさせるものでもある。
『災厄の家』を読んでないんだよね、しかし、気になるSFはいっぱいであるのに、そんなにお金はないぞ。

2021年1月12日
しかし、なぜ2月7日までの緊急事態宣言なのかなと思っていたけど、2月にオリンピック組織委員会があるのね、「抑え込んだから、さあ大丈夫です」と言いたいわけね、でもね、現状把握できないご老体ばかりが、堅い頭で考えて、理想的な姿に持っていこうとしているんだろうけど、自分もそうだけど、年齢を重ねると、理想的な姿を追い求めるのはわかるけど、あんたら国民の生活や命が掛かっているものと、自分たちのプライドを考えたときに、「どっちが大事なんですか」と聞いてみたいんですけど。
答えは、卑屈なニヤニヤ笑いか、激高した、眉毛の吊り上がった(-_-メ)で、「当たり前じゃないですか」と心にあるものと違うことを言う。
この国の政治家と言われるひとたちの哀しい性が、いつ産まれたのだろう。
「貧すれば鈍する」という諺があるが、「政治家すれば鈍する」に変えればいい。
失敗すれば、「市中引き回しのうえ、獄門さらし首」にすべきひとたちでは、ないのか。潔いという言葉を知らないのか。なぜ、こんなグズグズする国になったんだ。


『短編ミステリの二百年4』 editor:小森収(Komori Osamu) 創元推理文庫(Sogen Mystery bunko)
cover:柳智之 design:中村聡 2020/12/25 ISBN978-4-488-29905-7

今回もたっぷりの解説と良いセレクトで、読み応え充分。
解説は、読めば読むほど、いろいろ考えることもあって、どう、このリストに反映させようかと思っている。
いつもながら、素晴らしい。
遅くなりましたが、ありがとうございます。

2021年1月6日

『万物(ばんぶつ)の尺度を求めて -メートル法を定めた子午線大計則』 The Measure of All Things ケン・オールダー(Ken Alder)

たまたま2006年発売の作品が並んだけど、読みたいなと思って、そのままになっていて、今頃、読んでいる次第。
なぜ、読みたいと思ったのか、子どもの頃に、ふと思ったメートルって何。
朝の日課は、かつおぶしを削ることだった。かつおぶし削り器で、「かしかし」と削る。薄く掻いた方がおいしい。かつおぶし削り器とはいえ、「鉋」をさかさまにした形。どうしても毎日、削っていると刃が引っ込んでしまう。そうすると、裏から刃を叩いて、調整する。一度、叩きすぎて、刃が出過ぎて、まともに削れなくなってしまった。
子ども心に「まずい」と思ったわけで、おふくろに言うと、「大工さんのとこ、行っといで」と言われる。大工さんは、家の一軒向こうのお宅で、棟梁の家だったので、当時、いなせな若い衆が出入りしていた。「もんもん」の方々が多くて、「はっぴ」を着て、とても近寄りがたかったが、恐る恐る削り器を出すと、「おお、これは出過ぎてるな」と、言って、固くはまりこんでいた「刃」を一発で取り出し、しかも砥いでくれた。その時に、大工道具を見る機会があり、とっても不思議な形の道具が多かった。置きに入りは「金尺」、しかしセンチではない。学校ではメートルを教わっていて、昔からの尺度が、さっぱりわからない。
一尺とか寸とか、なぜふたつも測り方があるの、当時、テレビで洋画が好きで見ていて、何やら、ヤードとかフィートとか、それは何。
ものの長さを図るのに、いくつも測り方がある。なぜ、どうしてなのと思う。
日本とアメリカとイギリスとが違い、「世界の国の街」を歩き回る番組を見ていると、フランスとイタリアはメートルなのか、と気づく。歴史書を紐解けば、始皇帝は度量衡を統一したとある。
基準は大切である。しかし、そのもとになったのは、どう測ったのでしょうか。
その答えが、この本だった。
しかもフランス革命下のフランス、フランスの数の数え方のややこしさは知っているけど、この国で、そのメートル(mètre)を測定した。子午線を測定し、そこからメートルを導き出したのである。
パリを起点に北はダンケルク、南はスペイン、バルセロナまで測定したのである。しかもフランス革命の真っ最中。
伊能忠敬の偉業も凄いが、まだ国内は平安であった。
革命で価値観が揺らぐなか、ただひたすら科学的真実を求めて、三角測量をしつつ旅をする。
しかも、その測定結果になにやら疑問符がつくらしい。

地味な話であるのは、間違いないが、とてもおもしろかった。いや、すべてのひと向けではない。大部であるし、長い。
それでも、良かった。真実を探す努力を忘れないようにしたいものだ。
知ったいまでは、メートルって、フランス語っぽいよねと思うなり。

2021年1月3日
あけましておめでとうございます。
早くCOVID-19の惨禍が治まりますように。

『完璧な赤 -「欲望の色」をめぐる帝国と密偵と大航海の物語』 A Perfect Red エイミー・B・グリーンフィールド(Amy Butler Greenfield)

大航海時代は、興味があり、いずれ、『大航海時代叢書』なども読みたいなと思っていた。
そんな時代の本に、この魅力的な題名の一冊があった。
かねてから疑問に思っていたのが、カリブの海賊が、金銀財宝を狙ってカリブからスペインへ向かう帆船を襲う。そして奪った金銀財宝の前で、ニタリと笑う。
しかし、マヤ文明に何十年にも渡るほどの金銀財宝があったとは思えない。南米産のトマトやらじゃがいも、それともタバコを運ぶにしても、奪うだけの価値が、どれだけあるのだろうか。
胡椒のように、わずかな量でも価値を産むものでないと、海賊行為はなりたたない。
物量を必要とするものは、簡単には奪えない。いちいち奪ったあと、沈める行為をしていたら、手間も時間もかかる。
ひょいと人間ひとりが担げて、それでも充分な価値のあるものが必要だ。一度、某社で1オンスの金の延べ棒を持たせてもらったことがあるが、その重いこと重いこと、2、3本まとめて運ぶとなると、落とすというレベルであった。
20~30キロあれば、とりあえず換金できて、少しは生活できるもの、しかも特定されにくい代物でなければならない。
そんなものがあるのかという、疑問があったが、この一冊で氷解した。

コチニールだ。
ウチワサボテンに張り付いている小さい虫だが、長く昆虫か植物かという議論もあった。それぐらいわかりにくいものらしい。
アラブで珍重される「乳香」という樹木の分泌物があるが、人間の経験則から導き出される様々な行為は、実に深いものがある。
日本では、赤というと「朱色」に近い黄色みを含むものが多いが、この天然由来の動物性色素は、「スカーレット」という赤だ。不純物の少ない赤だ。
下地に黒を塗って、赤を塗ると深みを増すとか、白を塗って、赤を塗るとはっきりした色目になるとか、学生の時に、油絵を少し書いたが、その時に教わった。
黒を下地に赤を塗るものに近いらしい。現在は、コチニールを利用したものは、伝統工芸としてしか残っていないらしい。
きんきらきんに飾り立てた部屋で、赤い衣装は、確かに目立つ。
赤は人類の求める素敵な色だ。
戦隊ものでも、赤はリーダーである。

コチニール、濡れてしまうと価値が下がるが、これなら担いで運べるだろう。
スペインとイギリスの深い因縁もここに原因があるのかもしれない。
いろいろ意味でおもしろい一冊だった。
でも文庫になっていないし、古本でしか手に入らない。けど、おもしろかった。

Update:2021