ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)

2021年 日々浴浴

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2021年8月9日

オリンピックも終わったが、コロナの状況は終わりそうにない。女子ゴルフや女子バスケ、柔道など、ちらちらと見ていたが、女性の活躍が目覚ましかったように思う。
女子ゴルフ、4日間、なんとなく追っていたが、ラストまでのメンタルの維持が素晴らしい。プレーオフになると根性を見せてくれる。
この暑いなかで、選手のみなさんは、よくがんばりました。
今週、二回目のワクチンだが、発熱が心配である。しかし、感染爆発は明らかに政府の失策だろう。信、望、愛を失くした発言には、ひとは有能さを忘れてしまうということだろう。
車に置いてきてしまったり、電車内で刃物で殺してやろうとしたり、とんでもない奴も出てくるし、これから、どうなるんだろうという不安しか感じない。

小説は現在進行形が多くて、暑いし集中力が途切れる。
そんな中でようやく『プライベート・ライアン』を見る。見そびれていたんだが、冒頭のオマハビーチの描写は過激、ソフトさが欠片もない。
巣ごもりの中で、プラモを作りたいと思ってるのだが、いざ、やってみると眼はかすむは手は震えるは(別の要因があるかもしれないが)細かい作業は厳しい。塗装に凝り始めると、遅々として進まない。
ただいま、ティーゲルを作成中、大きいものよりテッケンクラートや装甲車の方が好き。
映画の中で、そのテッケンクラートが出てきて、曲がるとき、ほぼ片方のキャタピラが浮き上がっていた。いや、びっくり、もう少し鈍くさいかと思っていたのだが、出てくる戦車はご愛敬というレベルだが、ティーゲルの重厚感は35分の一でも見ているだけで、うっとりとなる。その重さがないのが残念。
ドラマ『アキラとあきら』の出来がよくて、久々にじっくり見てしまいました。
余計な肥やしばかりをインプットしているばかりで、困ったもんだ。
リストの方は、かなり細かい修正をいれつつ、追加作業も行っています。今後ともよろしく。

2021年7月31日

ランズデールか、ランズデイルか、当集成では、ジョー・R・ランズデイル(Joe R. Lansdale)にしてあります。
いずれは、読みたい作家のひとりです。『ボトムズ』とか、なんですけど、けっこう短編は読んでまして、変なもの書く作家でもあるなと、これは誉め言葉です、思っていましたが、翻訳が出ちゃいましたね。
新紀元社のRoman Fantastiqueのふたつめ、『死人街道』 Deadman's Road、植草昌実訳
「死屍の町」「死人街道」「亡霊ホテル」「凶兆の空」「人喰い坑道」の五つの短篇集ですが、最初の作品が半分以上、で、まあ後半ふたつ読んでおけばいいかなという感じ。
それなりに迫力はあるが、発表年代を考えると、見慣れた光景と言っていいのか、よくわからないが、そういうものになっている。ゾンビ西部劇である。
西部劇は日本では流行らない、と言われたのは、大昔であるが、確かに翻訳もあまりないし、アーネスト・ヘイコックス(Ernest Haycox)マックス・ブランド(Max Brand)ルイス・ラムーア(Louis L'Amour)ゼーン・グレイ(Zane Grey)くらいしか、記憶の中からほじくり起こすと、アメリカ古典大衆小説コレクションくらいかな。
サミュエル・コルトが拳銃を発明し、南北戦争後にテキサスから他の州への牛移動をしていた、『ローハイド』だ、今でもあの曲を聞くと、気持ちが盛り上がる。あと「ワシントン広場の夜はふけて」、いいね。
日本で言えば、明治期の西南戦争の頃らしいが、ごくごく短い期間を西部劇の舞台になっているらしい。
個人的には『西部開拓史』『大いなる西部』が大好きで、少なくとも3回以上は見ているし、まあ『明日に向かって撃て』や『俺たちに明日はない』もいいけど、ストレートなものはあまり好きじゃない。
『スーパー・ナチュラル』のコルト銃のエピソードは、ああ、そんなんかいなと思ったもんだが、十字架に聖水に聖書の切れはしに、ことゾンビ西部劇には、欠かせないアイテムがいっぱい。
キングの『ダーク・タワー』がなんなんねんと思った読者としては、やはり徳川三百年の時代劇の方が、しっくりきます。

2021年7月25日

『海の鎖』editor/translator:伊藤典夫 国書刊行会/未来の文学の最終配本
今回、改めて読んでみた。「偽態」は、金星でしたか、すっかり抜け落ちておりました。不定形生物でなんにでも化けられるというのは、『火の鳥』のムーピーを思い出す。
未来篇を先に読んでいたので、これムーピーじゃんと思ったのを思い出す。人間もどきとか、何か、人間に化けるという部分に根本的な恐怖を人間は抱えていると思う。
「神々の贈り物」も、こんな話だっけと思った。うろ覚えすぎますねえ。
「地を統べるもの」、途中で出てくるガジェットというか、妙なもので思考を停止させられるというか、それが持ち味なんだろうけど、長篇ふたつとも、あらすじさえも覚えていないという困ったものだ、けど、読みたい。
「最後のジェリー・フェイギン・ショウ」、やはりあまりおもしろくは感じなかった。こういうものを読み解くセンスはありません。純粋に楽しめばいいんだけれど。
「海の鎖」、泣かせではないけど、哀しい人類の物語。
最初に読んだときも、長いなと思ったことを思い出した。丁寧に丁寧に積み上げていく描写がいきる。

久々になつかしさに浸りながら、読み切る。なんとか、また読めるようになったかな。

これが伊藤典夫氏の最後のアンソロジーになるのでしょうか。
新潮文庫の復刊、いや改めてテーマアンソロジーも読んでみたいものだけど。
ここ10年ほど、読めないなと思ったものが、パラパラ出ているので、驚いてますが。
アンソロジーは難しいかもしれませんが、スキャナーや書評をまとめたものを必ず、お願いします。
予定で出て、いつのまにか消えていますが、お願いしますね。

2021年7月18日

『時の他に敵なし』 No Enemy But Time
マイクル・ビショップ(Michael Bishop)translator:大島豊 Publisher:竹書房文庫び3-1 2021/ 6 ISBN978-4-80192669-1

ネビュラ賞受賞作で、訳されていなかった80年代の長篇だったのだが、訳されていないのには、理由があるというか、まあ『ニューロマンサー』には勝てんはなあ、時代的に不幸だったし、おまけにややこしいビショップの真骨頂みたいなところもある。
納得したが、読みはじめて、早速つまづいた。読めん。まったく進まない。
少し、頭を抱えてしまった。
翻訳されたことは喜ばしいのだけど、いまだに理解できていない。
あまりにも進まないので、途中で中断した。
ようやく読んだが、も一度読めとなると、正直、腰が引ける。

2021年7月15日

読めん!
リーディング・ブロックとでも言うのか、そんな言葉はないけど、書けないんじゃなくて、読めなくなってしまった。まったく読む気がしない。
夏場になると、どうしても意欲が減退してしまって、まったく一行たりとも読めない。漫画は読めるよ。小説がだめなの。そのうち読めるだろうと思っているが、たまりにたまる本に溜息ばかり。
単純に仕事疲れかとも思うが、若い連中と同じ動きをしていると死ぬ、体力が続かない。無理するつもりはないのだけど、どうしても身体が動くんだよね、弱ったもんだ。

アマゾンで、『トゥモロー・ウォー』を見る。
どこかで見たような映像と、どこかで読んだようなストーリー。しかしだ、異星人のデザインに昆虫、特に蟻とか蜂を使うのは止めませんか、爬虫類や両生類を使うのも、その生理的な嫌悪感を煽るために使うんだろうけど、既に半世紀は逆行しているようなもんだ。『エイリアン』から脱却できんかね、けっこう好きだった、『スターゲート アトランティス』の一場面のような映像があってね、ああ、既視感が。
もう親子の葛藤と愛情にあふれて、敵と対するなんて、どうにもこうにも背中がむずむずするような展開なんだが、破綻してるよね。細かいこと言ってもしかたないけど。

はるか昔の黒猫小猫のモンスターというのは、画期的であったんだね。
猫と言えば、新宿駅の三毛猫3D、すごいね。

主題歌に惹かれて見てしまったが、なかなかよかったのが『色づく世界の明日から』、P.A.ワークスの作品を追い続けているのだが、これもよかった。
地味だよ、アクションなんかひとつもなし、それでも見せてくれるんだよね。

2021年7月8日

エリザベス・ハンド(Elizabeth Hand)『過ぎにし夏、マーズヒルで』東京創元社創元海外SF叢書

「過ぎにし夏、マーズヒルで」 Last Summer at Marshill (1994)
「イリリア」 Illyria (2007)
「エコー」 Echo (2007)
「マコーリーのベレロフォンの初飛行」 The Maiden Flight of Mccauley's Bellerophon (2010)

4篇を収録、ネビュラ賞(Nebula Award)世界幻想文学大賞(World Fantasy Awards)をそれぞれ収録した作品集。
『冬長の祭り』は、それほどおもしろくなかった記憶がある。異世界ファンタジーの一冊だったと思う。素質的にはファンタジー要素の強いひとなのだろう。
4篇とも、幻想的な短編であるが、表題作はアメリカ人の好きそうなスピリチュアル的な作品。抵抗はないのだけど、思わず「好きねエ」と呟いてしまいそう。
人間、皆、絶望から這いあがる術を求めているものです。
ダイヤモンド社(DiamondSha)や、東洋経済新報社(Toyo Keizai Inc.)の出版ものを見ていると、経営本の中になぜか、数多くのスピリチュアル系が多くある。
知識だけでは生き残れないというところか。
この中で、「イリリア」が一番よかった。この手の人生の風景を切り取ったような展開は、自分好みなのである。

また、雨だ、止まない雨はないとは言われるけども、辛いね、この雨は。どうにかしてほしいものである。
けれど、変えられるものを、変えない政治家は、はるかな高見から下々の生活を見下ろし、我々の言う通りに動かないから、また締め付けなければならないんだというような高飛車な対応で、自分たちの都合に合わせて、これは行う、これは行わないと決めている。

天罰が落ちてほしいひとには、なかなか落ちないものなのである。

2021年7月4日

大谷くん(なぜか、こう呼びたい)の活躍に酔いしれている間に、災害が起こり、まだまだ雨も降りやまず、早くの救出を願います。
もう一週間、雨は止まず、仕事上、雨が降ると本当に大変で、それでなくても不足しているのに、余計な労力がのしかかる。
でもね、これで雨があがると、強烈な太陽が降り注ぎ、季節は高温の夏に。それも辛い。寝苦しい夜に、昼は悪夢のような太陽が。

読んでから書くことを心がけてきたけど、今回、本としては読んでないのだが、個々の作品は読んでいる。

『海の鎖』editor/translator:伊藤典夫 国書刊行会/未来の文学の最終配本

「偽態」 The Counterfeit Man アラン・E・ナース(Alan E. Nourse)
さすがに「焦熱面横断」は古すぎるか、古き良き水星の暑苦しいひとつ、「旅行かばん」もいいのだけど、「コフィン療法」が一番好き。
「神々の贈りもの」 The Gift of the Gods レイモンド・F・ジョーンズ(Raymond F. Jones)
訳されているなかでは「子どもの部屋」「騒音レベル」と、この作品かなと思います。
「リトルボーイ再び」 Another Little Boy ブライアン・W・オールディス(Brian W. Aldiss)
ああ、掲載されてしまった。攻めてるなあ。
「不可視配給株式会社」と、この作品は両極端、解説は、その後を書いていて、矢野徹氏のご尊顔を思い出してしまいました。
「キング・コング墜ちてのち」 After King Kong Fall フィリップ・ホセ・ファーマー(Philip José Farmer)
この作品は、翻訳された倉阪鬼一郎氏のものは読んでいないが、なぜにこんなに違うのかと思うほどだったのを思い出す。懐かしい一篇。ファーマーのミーハーさがちょっと違うんじゃないのという方向に進んだひとつ。
「地を統べるもの」 Settling the World M・ジョン・ハリスン(M. John Harrison)
どこやらで短篇集が出そうなんで期待してます。傑作です。
「最後のジェリー・フェイギン・ショウ」 The Last Jerry Fagin Show ジョン・モレッシイ(John Moressy)
埋もれていた作品のひとつ、今回、改めて読みなおそうと思っているひとつ。大判の雑誌、オムニを、紙質が良くて、手に持っては読みにくいこの雑誌を読んでいた手触り感を思い出す。
「フェルミと冬」 Fermi and Frost フレデリック・ポール(Frederik Pohl)
あまり好きではなかったポールの傑作のひとつ。
「海の鎖」 Chains of the Sea ガードナー・ドゾア(Gardner Dozois)
少年と異星人の侵略とを、ちょっと凝った書き方をした泣かせのひとつ。改めて読みたいひとつでもある。
懐かしいなあ。

2004年7月に始まった未来の文学シリーズ、17年たって完結です。それでも完結した、めでたい。読めなかった作品もこの叢書のお陰で読めたものも多く、完結してくれたことは喜ばしい。
当時、なかなか海外SFが読めない時期で、この叢書のありがたかったことか。楽しみがまたひとつ終わってしまった。さびしい。

で、なんとかしてほしいのが、「サンディエゴ・ライトフット・スー」 San Diego Lightfoot Sue トム・リーミイ(Tom Reamy)デーモン・ナイト(Damon Knight)の短篇集、『生存の図式』 The Watch Below ジェイムズ・ホワイト(James White)等々、ございます。
まあ、難しそうだけどねえ。

2021年6月27日

鬱陶しいお天気に、少し、体調もやられ気味、なんとか持ちこたえているけど、しんどい。

文字が追えないので、コミックばかり読んでいる。
『ハコヅメ』の17巻と『ハコヅメ アンボックス』、警察ものとしても、なかなかな出来で、びっくりしてる。
地方の県警のそのまた、地方署というのが、実にいい、東京で起こりえるものと違う設定を、活かしている。個性的な面々もおもしろく、特に「黒田カナ」が主人公の『アンボックス』は、こんなキャラを、こんなにしてしまって、いいのかと、とても疑問に思った。くノ一捜査官は、もっと活躍できそうな気もするけど。
16巻で、キリストの「最後の晩餐」のような絵があって、ひとりだけ、背を向けている。そんな伏線の張り方もおもしろく、「奥奥島事件」「同期の桜」と、素晴らしい。
まるで、87分署(はちじゅうななぶんしょ)ではなくて、(はちななぶんしょ)と読むのが正しいらしいというのは、最近知った、ものみたいなおもしろさがある。
お薦めです。

山本おさむの『赤狩り』、いずれ、アメリカの物語を、本のリストだけで構築してみたいなと思っていたけど、これも1950年代のアメリカを丁寧に事実を構築しながら書いている。
実は、『そばもん』が好きだったので、この作品もある程度、まとまったらと思っていたけど、予想以上におもしろくて、「あれ、そうだったの」というのが、いくつか散見される。
わたしも、かなり昔のアメリカ映画やイギリス映画を見ているが、感心することばかり。
おもしろい。

コミックに首までつかると、更に、字が追えない、哀しいなあ。

もひとつ、西炯子の『初恋物語』、いや、わたしが買ってるんじゃないからね、なんとなく読んだら、やめられなくなっただけ。けっこういい。『カツカレーの日』が切れ味するどくて。。。

2021年6月20日

『短編ミステリの二百年5』 editor:小森収(Komori Osamu) 創元推理文庫(Sogen Mystery bunko)
cover:柳智之 design:中村聡 2021/ 6/18 ISBN978-4-488-29906-4

今回の収録作品は、読んでいるのが半分くらい、少し懐かしみながら、読む。
はじめて読んだのは「臣民の自由」、おもしろいです。
やはりこの作家の作品は、も一度、読み返したいなと思いました。
解説に関して、SFのこととなると、無難な書き方になりますね。
エリスンに関して、少しだけ、たぶん出会い方ではないかと思います。おそらくたっぷりと和物SFを読んできた人たちには、今読んでも、それほどのインパクトは受けないように思います。
自分にとっては、「ボーイ・ミーツ・ガール」みたいなもので、ぶつかったインパクトが大きすぎたんですよね。奥底にしまい込んだ、そのインパクトを繰り返し味わいたい、それがあります。
作品に関しては、確かに振幅の幅がありすぎて、たまに戸惑いましたけどね。

今回もいろいろと見直しをさせていただきました。
それと、ありがとうございました。

2021年6月17日

遅くなりましたが、中原尚哉様、翻訳大賞受賞おめでとうございます。

はじめて読んだのは、あの懐かしいダーコーヴァのシリーズの、『ドライ・タウンの虜囚』 Shattered Chain マリオン・ジマー・ブラッドリー(Marion Zimmer Bradley)でした。
今となってはなんてことない異世界ものになってしまいましたが、手元に残っておらず、も一度読みたいシリーズでもあります。
描写が印象的な『シャドウアイズ』 Shadoweyes キャスリン・プタセク(Kathryn Ptacek)
売れなかったと思えるけど、わりとよかった『太陽と月のアラベスク』 Strange Devices of the Sun and Moon リサ・ゴールドスタイン(Lisa Goldstein)
ヒューゴー賞受賞作、なんとなく訳者名を記憶した『遠き神々の炎』 A Fire Upon the Deep ヴァーナー・ヴィンジ(Vernor Vinge)
名作ではないが、台風の襲い方が印象的な『大暴風』 Mother of Storms ジョン・バーンズ(John Barnes)
こういう作品が訳されて、売れるのかな?と思った『聖なる血』 The Blood of the Lamb トマス・F・モンテレオーニ(Thomas F. Monteleone)
もう一度、読みたいこれ、『アヴァロンの戦塵』 Beowulf's Children ラリー・ニーヴン(Larry Niven)/ジェリー・パーネル(Jerry Pournelle)/スティーヴン・バーンズ(Steven Barnes)
もっているんですけどね。余裕が。
出世作かな、『タイム・シップ』 The Time Ship スティーヴン・バクスター(Stephen Baxter)
B級SF、いやほんと、よく訳しましたね、すばらしい『氷河期を乗りきれ』 Earth Winter リチャード・モラン(Richard Moran)
相性が悪いのか、わたしはよくわからない『飛翔せよ、閃光の虚空へ!』 Priary Inversion キャサリン・アサロ(Catherine Asaro)
さらに、よくわからない『クリプトノミコン』 Cryptonomicon ニール・スティーヴンスン(Neal Stephenson)
極めつけはこの二冊、うーんと理解の範囲外、『不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ』 The Impossible Bird パトリック・オリアリー(Patrick O'Leary)

たぶん出世作、『啓示空間』 Revelation Space アレステア・レナルズ(Alastair Reynolds)
どんどん厚くなる本に、ドキドキしながらお待ちしてました。
何をどうして、これが本国で売れるんだと思った『碧空の城砦』 Gardens of the Moon スティーヴン・エリクスン(Steven Erikson)
あまりにもおもしろくないので、あらぬ疑いを持った次第。訳者が悪いわけではないと確信してます。
訳者の力が大きいような気がしている『海軍士官クリス・ロングナイフ』 Kris Longknife: Mutineer マイク・シェパード(Mike Shepherd)
あとは有名どころを訳しつつ、安定した翻訳者だなと感じております。プレッシャーを与えつつ、「わたし」を「弊機」と思い切った訳、様々な武器の思い切った意訳、まさしく現在のSF翻訳者の先端のおひとりでございます。
敬意を込めて。
素敵な翻訳者になりましたね。

2021年6月15日

ロバート・シルヴァーバーグ(Robert Silverberg)、『小惑星ハイジャック』 One of Our Asteroids is Missing (1964)、Pen Name:キャルヴィン・M・ノックス(Calvin M. Knox)
創元SF文庫
また、懐かしいものを伊藤典夫訳で読めるとは思わなかった。
作品自体は、他愛もない内容で、でもまあ、娯楽として読むには適しているし、読んでも読まなくてもどちらでもかまわないわけで、自然とページを開いて、古き良き宇宙を楽しみながら、さしづめ、B級作品を楽しむごとくのんびりと。
構えて読まなくていいわけで、これは名作の声高い傑作だから、気合を入れなければという代物ではない。そんな作品が、わたしは好きです。

この作品から三年後に、改造されて戻ってきた主人公、百人の母親になった娘、感情を食らうことによって快楽を得る男、『いばらの旅路』
さらに、千年後からやってきたという男は、本物か、それとも詐欺師か、神の子か、観光客か、世界は新たな混乱に巻き込まれる、『時の仮面』
ニューシルヴァーバーグになる前の作品も、けっして飽きさせないテクニックはあるわけで、貧乏なSF作家たちの中から、金持ちになったおひとりであるが、今はどうか知らないけど、どうもSFというと貧乏というイメージが個人的にまとわりつくが、そんな作家のひとりに対しての多少のやっかみもあるかもしれない揶揄さを差し引いても、プロとして輝くものを持っている。
社員、失礼、「シャイン」

2021年6月11日

5月31日でSSL証明書が失効されるのは、メールで連絡は来ていたが、完全に失念していた。
6月1日、仕事で出勤、昼休みに確認を取ると、「なんじゃ、こりゃ」である。そのときに証明書のことを思い出す。6月2日の水曜日が休みだったので、作業開始。
仕事が終わってからでは、とてもじゃないけど、気力が維持できないので、休みの日にしかできない。
支払いもすまして、申請して、さて、これで準備OKなんだが、最初に導入したことなんて、さっぱり抜け落ちているというか、忘れている。
改めて、もう一度勉強。
設定などを行わないと、証明書は来ないのだが、しばらく待っても来ない。そりゃそうだ。設定を間違えているのだから、原因がわからぬので、サポートに連絡して、そこで間違いに気づく。
なんとか復旧が一週間後、正直いうと、SSL証明書など必要ないと言えば、ないのだが、少なくとも、安全への留意。

しかし、一週間は短いようで、長かったので、かなり利用者を減少させたようである。
サイト運営は大変である。

2021年5月30日

『一度きりの大泉の話』 萩尾望都 河出書房新社

少女マンガは読まず、どこがいいのか、さっぱりわからず(というか、読んでいなかった)、石ノ森章太郎の「龍神沼」とか赤塚不二夫の『秘密のアッコちゃん』、横山光輝の『魔法使いサリー』というアニメにもなった有名どころは知っている。しかしだ、当時の男子中高生は、少女マンガを読んでいると、ほぼ「変態扱い」されたはずである。
現代のようなジェンダーフリーとか、LGBTなどはありえなく昭和の真っ只中である。
マンガなど描いていていると、必ず親は、なにがなんでも大学行っとけ~という時代である。それは、『一度きりの…』にも、そんな部分が出てくる。
漫画家になりたかったが、才能の欠片もなく、絵も下手、根性は無く、話作りもできない、こんな奴は漫画家になれないと、親は思ったのだろう、行けるんなら大学行けと、で、行けたので酒にはまって、4年間を無駄(いや、得難い体験をして、今がある)あげく、商社、IT、介護と変遷はするものの、なんとかなっているのは、たぶん大学時代の4年間の美術研究会の仲間と活動のお陰である。
それと、中野区大和町で商売をしていて、そこそこ成功していた祖父と父、母のお陰だろう。
当時、高円寺以西は、かなり田舎だった。
祖父によると、早稲田通りから南は焼夷弾で丸焼けになった。北側も現在の新青梅街道の当たりも焼けてしまった。荻窪と西荻窪の間、前は日産自動車、現在は原っぱ公園のところに中島飛行機があった。
3月10日の東京大空襲で、下町だけでなく山の手もかなりな痛手を受けた。
そこから完成した飛行機を隠すための掩体壕が西の方には点在し、戦後、「独活(うど)」が作られた。
まだまだ昭和40年代は空地が点在し、畑が多く、土の道が埃を舞い上げ、いずれ補装予定のところは砂利道で、環七は突貫工事で作られ、駅前には街頭テレビが存在し、高円寺と荻窪にはあった、鬱蒼と生い茂るけやきの森があった。
「大泉学園」となると、わたしの中では、車で生きたくない街のナンバーワンである。ややこしいと言われる世田谷よりもひどいと思う。世田谷で送迎運転をしていた身からすると、わかりにくいのは確かだが、まだ畑のあぜ道や農道を利用して小刻みに売った土地のせいで、道が狭いだけ。しかし大泉は西武新宿線をはさんで、複雑怪奇に入り組んでいる。狭い、ややこしい、それに線路があるため、なぜか方向感覚が狂うのである。行っていないから道を覚えていないといわれりゃ、その通りだが、子どものころの大泉はけっこうな田舎だった。配達で、父の車に乗りながら、小学生の頃から手伝わされて、杉並、練馬、中野、新宿、世田谷まで行っていた。
漫画家は、金がないから、田舎に暮らす、いや、都会に暮らす必要はなく通勤することもないので、交通が多少不便でもなんともなかった。当時、自転車も貴重品で、そもそも泥の道では役にたたない。
関東ローム層をなめると痛いめに合う。乾くと埃、塗れるとすべりやすいという代物である。

さて、大人たちの都合で、男性作家の「トキワ荘」、女性作家の「大泉サロン」という新たな商売のタネに喰いつこうとする人々のせいで、多分に振り回され、書かずにいられなくなったのだろう。
若ければ、「んなもん、書けるか」だけど、年齢とともになんらかの記憶として残しておくべきではないかとも思われたようにも感じる。
二つの天才、その恒星の光に導きかれたあまたの星々、あまりにも天才すぎるため、その作風にも影響しあい、結局は離れざるを得なくなった。
「トキワ荘」のようにひとつの巨星ならば、なんとかまとまれたのかもしれないが、あまりにも年齢近く、持っている素質も似ているならば、それは相容れなくなるのは必然ではないのかと思う。
しかし、当時の編集者の影響が大きいのは、諸々の作家の本を読んで知っていたが、新しい世界を作るのは、とても一人では無理なんだろうな。
敬愛する米澤嘉博氏の『戦後少女マンガ史』には、どう書いてあったっけと疑問に思い、探すが見つからず。
米澤嘉博氏の各著作があったればこそ、このサイトも続いています。

創作するということは、現実への影響を免れ得ない因果な商売なんだ、が、第一印象だった。

2021年5月21日

『魔軍跳梁 赤江瀑アラベスク2』創元推理文庫 2021/4/28 赤江瀑
三冊並べると、後半の赤江瀑の作品を俯瞰できるような作品集になっているように考える。まだ二冊めですけど。
初期の名作は、比較的、手に入りやすいし、改めて、この作家を紹介しようとするならば、一工夫の必要はあると思えるし、従来のファンにもアピールできるものというのも、また難しい。
けど、読んでみると、ひとつの方向性をなんとなく感じられる。
こういう作品も書いていたんだという軽い驚きも感じられた。
京都弁で作品を書ける作家であるけれど、東京人として、実にうらやましい。
ふと、思い出したのは、京都、山科へ、商売しに行ったとき、赤江瀑の作品を読んで勉強していたのである。
福知山での短篇集を読んだホテルの夜は、なんとも感慨深いものに感じられる。
座布団に注意しろ、とかぶぶちゃに注意しろとか、周りには脅されたけれど、同じ人間同士、方言、習慣だけでなく、魂で語れば理解できるはずだ、と思っていた。
好きな理由は、言葉だけではない部分にもある。
でも、ええなあ。

2021年5月15日

うらやましいなと、思うことがある。
もう少し早く生まれてくれば、とか、もう少し遅く生まれてくればとか、どちらかというと、「早く生まれていれば」と思うほうが多いのかもしれない。
1958年生まれは「はざま」の世代とか言われていて、どちらかというと、不遇なんだと思い込んでいたが、けしてそんなことのない世代だったのかなと思われる。
先人たちの苦労を思うと、そこに居たら、「よかったのに」と思う。
自分の親の世代の物語を読むたびに、戦争というゴタゴタと不毛な生活と苦難、飢饉と戦後の復興の、がむしゃらに突き進むものに魅力を覚えた。が、昭和6年生まれの父は早々に亡くなり、昭和10年生まれの母が残り、昭和20年生まれの叔母がおり、戦後の苦労をしたこの世代の繋がりに驚きながらもうらやましさを感じるときもある。
内風呂もなく、食品も添加物まみれ、何を食わされてるか、何を飲まされているのか、わからないまま、明るい未来だけを信じていた時代。
当人たちは、未来のことはわからない。ドラマではないのだから、未来はわからない。
今、コロナという災厄の不遇の中にいて、未来はあるのかと問うことは可能なのか。国の首長が、輝かしい未来を信じて歩んできた、挫折感に乏しい人物に任せていいとは思えない。
数年先の未来を語れる、来年の状況を語れる人物に変えるべきである。
年齢には関係なく未来を語るリーダーが必要だ。苦難を乗り越えられるのは、そんな型破りな人物であるべきだろう。

北上次郎/日下三蔵/杉江松恋編集の『日本ハードボイルド全集』生島治郎が出た。

生島治郎は『黄土の奔流』『片翼だけの天使』しか読んでなかった。
豚毛を買いにいく『黄土の奔流』は傑作だが、『片翼だけの天使』では、なんというか生き方が違いすぎて、このひとは理解できないなと思ったものだ。
もともと、ハードボイルドが苦手で、何かしら事件は起きるが、事件の解決よりも主人公の行動、モラル、プライドが優先されるということが、まず理解できなかった。
きわめて小市民的な発想しかできない自分にとっては、宇宙人である。それをおもしろいと理解する思考が無理。それで長い間、読まなかったというか、読んではいるのだが、「つまらない」という決めつけで終わっていた。
チャンドラーの短編もあらかた読んでるし、長篇も代表的なものは読んでる。ハメットも同じ。
しかし、マっギヴァーンとかスピレーンになると、実によくわかる。たぶん頭の構造が単純なのだろう。
『死者だけが血を流す』は、いかにも昭和の時代の展開で、モラルもなにもかも昭和、しかしながらパワーを感じる。
ああ、こういう壁があちこちにあると感じられたのが、昭和だっけと懐かしく思い出す。
「チャイナタウン・ブルース」「淋しがりやのキング」は、好きだ。
「甘い汁」は、異色ものという作品、「浪漫渡世」は早川書房の内幕もの。明け透けにかいてあり、『浪漫疾風録』まで読んでしまいました。
読んでなかったのを思い出して、いずれ読もうというリストにははいっていたけど、まったく忘れていた。
この作品を読めたのは収穫。
全集、全7巻、あの作家がないなとか、ふと思うが、売れれば第二期もあるんだろうと思ってる。

もう少し早く生まれればと思うものの、おそらくは、今までしてきた苦労や苦難と違うものがのしかかる。どの時代で生きたとしても思うようにならないだろうなと。

2021年5月9日

リサ・タトル(Lisa Tuttle)
懐かしい名前である。短編は訳されているのだけど、長篇になると、ほぼはじめて。
『翼人の掟』は文庫化もされなかった。SFというより、ファンタジーだし、マーティンの名をもってしても再刊するのは、少ししんどかったか。内容的には古くなってしまったのは、致し方ないが、個人的な思い入れとしては復刊してほしいかな。
短編は、ほぼホラーばかり。
「妻たち」とか「虫の家」は、気持ち悪かった。
今回、出たのは『夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件 探偵ジェスパーソン&レーン』 The Curious Affair of the Somnambulist and the Psychic Thief (2016)
translator:金井 真弓 Publisher:新紀元社 2021/ 3 ISBN978-4-7753-1856-0
雑誌「幻想と怪奇」の出版社だけど、この明細もまだできていません。すいません。他にやることが膨大に多すぎて。
内容はヴィクトリア朝のイギリスが舞台。ロンドンというと霧。映画の『メアリーの総て』の霧が印象深い。いかにも何か出てきそうだし、そうした街で何かが起きるのもありかと思えてしまう。
作品の方は、この出版社の叢書の最初の一作品めだけど、内容的には、この時代が好きなひとだったらいいのではないかと思う。
わたしは、時代的には好きなのだけど、こうしたファンタジーは苦手なのである。

『ハコヅメ 交番女子の逆襲』三巻まで読み放題だったので、何気に読みはじめたら、はまった。「モーニング」連載中のコミックである。
最初の頃は、絵も致命的なほどへたくそだったけど、あっという間に絵もストーリーもうまくなった。少しづつではなくて、怖ろしいほどのスピードで進歩してる。感心してしまった。
テレビドラマ化になるから読んだのではなくて、たまたまである。いや、おもしろい。
お巡りさんも大変だよねと、つくづく思う。上も下も大変だ。上になるほど楽になる会社は、やはりどこかおかしいのである。

2021年5月1日

『最終人類』 The Last Human ザック・ジョーダン(Zack Jordan)translator:中原尚哉(Nakhara Naoya) Publisher:ハヤカワ文庫SF2320
2021/ 3 ISBN978-4-15-012320-8 ISBN978-4-15-012321-5

出だしは、たったひとり残った人類の女の子で、ウィドウ族に育てられたわけで、よくある青春アニメ風の展開かと思われたが、なにやらネットワークも、なんかわかりにくい。
読み進めていくうちに、上巻の後半でピタリと止まる。
なんとしてでも読んでやろうという気力がそがれる。
信頼ある中原訳ではあるが、イメージがつかみにくい。悪戦苦闘しつつ、下巻へ、
すごい展開になりそうなガジェットも捨て去りつつ、物語はあらぬ方向へ突き進んでいく。
オブザーバー類の話し言葉がなんやら、そぐわないなあと思いつつも、話がよれてるよねと思いつつも、読み終わると、「なんだ、これは」と思う。
新人作家の若書きなのは間違いないが、なんとも、その無茶苦茶なパワーだけでこねくり回し、なんとか形になったんだろうけど、惜しい。
中間部分が、わりと苦痛で、ここで挫折する可能性が高い。
おそらく、悪い奴は悪い、正しい奴は正しいということを書きたかったようである。
傑作とは言わないが、まあ、佳作ぐらいにはなるように思う。
でもね、その中間部分をカットすると、これまた物語はつまらないものになるように思う。
良い評価をしようと思えば良くなるし、悪い評価をしようとすれば、どこまでも悪くなるという、作品である。

2021年4月24日

久々に「ポリシー違反」のご連絡が。
全面広告というか、自動広告を取り入れてたのだけど、スクリプトひとつなので、単純にサイト全体にばらまいたわけだけど、過去、ポリシー違反に引っかかったページにも貼り付けてしまった。
それで、ポリシー違反のご連絡。
けど、内容については言えないが、こんなことでポリシー違反になるのかいという程度。だから忘れていた。
ようやく少し戻しはじめたんだけど、つまんないことで引っかかった。しょうがない。訂正して対応した。

に、してもグーグルのポリシー違反はわかりやすいが、まったく弁解を効かない仕組みも唖然だが、現在のコロナ禍、政治家の迷走は、まったく、よくわからない。
庶民の暮らしを理解してないでしょ。日本の〇善者の、あ、いや為政者の皆さん、やらなきゃいけないのはオリンピック・パラリンピックの中止と、ワクチンを早くすること、人々の生活を安定させて、その上で景気高揚で開催というのならわかるが、もう、〇カ。
将来、未来から見た人たちは、この惨状を、どう評価するか、政治がアホだから、日本は沈没したと言われないようにしましょうよ。
地理的に沈没じゃないよ、政治的に沈没なんだよ。哀しいね。日本。軽蔑されるね、日本。極悪人にされるのは誰なんでしょう。

ケン・リュウ(Ken Liu)の最新短篇集『宇宙の春』を読む。

全体的に小粒だなと思ってたんだよね、最後の一篇を読むまでは。
いわゆる問題作であり、こんな作品が残っていたのかという驚きもある。
いや、なかなか、
映画化されるにあたって、残された作品を集めただけと思ったんだけど、びっくりしました。
ということで、未来から見た時に、どう評価されるかの視点が乏しいのが、日本人の特性なのか、いまやっていることは、非難されることしかしていないように思える。
この作品を読んで、考えてほしいものだ。どう考えるのか、偽〇者、いや為政者に読ませてみたいもんだ。
どっかの都知事と、どっかの国の総理は、「関係ない」と言いそうだけど、想像力の欠片もない対応だよね。

2021年4月18日

『中国・アメリカ 謎SF』editor/translator:柴田元幸(Shibata Motoyuki)/小島敬太(Kojima Keita) 白水社
2021/ 2/10 ISBN978-4-560-09799-1
cover/illustration:きたしまたくや design:緒方修一

偶然、本屋で見て、購入した。調べていても、なんとなく頭から抜け落ちる作品もある。
なんという題をつけるんだと思ったのだが、収録された作品を読むとそうとしか言いきれないかな、と。
テーマ別でもなければ、作品に有機的な関連性もない、選者たちが、眼についた作品を並べただけなんだろうけど、それに意味を持たせようとするのは無理がある。
苦肉の策で『謎』としたというところなのかなあと思う。
中国対西洋という対比でも、作品内容敵に、どちらに軍配があがるわけでもない。
個人的に気に入ったのは「マーおばさん」と「焼肉プラネット」。
「改良人類」など話題になるというか、深読みできるのは確かだけど。社会的なものを扱うより「深海巨大症」のような曖昧模糊としたほうが、いい。
あくまでも個人の見解だけど、

カルビが飛び跳ねている図が、どうにも頭を離れず、困っているのだが。珍しい食SFの「焼肉プラネット」。
オチは、使い古されたアイデアで、思わず、溜息が出てしまったけど、こんなもんにしてしまうのか、と。
が、イメージが勝った。おもしろい。

2021年4月16日

最近、骨伝導イヤホンを購入してみました。
もともと耳ダレの多い方なので、きれいにすることをいつも注意していて、イヤホンタイプだと、どうしても汚れるような気がして、過去、清掃を繰り返し、何回も変えてきた。
骨伝導そのものは、知られていたようだけど、機器になったのは最近。
第二次大戦中の戦車に使われていたけど、ガルパンでもおなじみの咽喉でマイクを抑えて通信するという咽喉マイクも一種の骨伝導利用なようにも感じられる。
四号戦車もいいが、三号突撃砲のシンプルなスタイルが抜群。プラモデルは購入済みで、あとは作る時間を見つけるだけ。
それが、眼についたので、購入。
いい。耳の穴を塞がないのがいい。音漏れも少ない。まったくないわけじゃないけど、気にならない。
老人性難聴になりつつあるけど、これも対応策になるなあと思いつつ、補聴器は高いんだよねえ。耳の形状に合わせるカスタマイズをすると相当な金額になるし、これでも充分だよねと思える。
耳ダレが気になって、補聴器はイヤだなと思ってたけど、思わぬ対策を発見してしまいました。
周りの音が聞こえるのも良好。
寝ながら使うには適しているものと適してないものがある。スポーツしながら音楽をというのが基本コンセプトだが、わたしゃ寝ながら聞くというのが基本、なかなか適当なものがなかったが、これはいけるかなというのを購入。
気に入ってます。
技術の進歩は、ひたひたと押し寄せているのですね。
と、いうことで『謎SF』は、明後日のお題になります。

アドセンスの設定を変えたら、なんとなく気に入らない。けど、大事な収入源なので、ご理解をよろしくお願い致します。

2021年4月10日

本です。『伝説の艦隊2 〈ウォリアー〉』 ニック・ウェブ(Nick Webb) ハヤカワ文庫SF 2021/ 2/17
少し間が空きましたが、二巻目です。
どう考えても『ギャラクティカ』の展開で、これも誰がスパイなのかの攻防戦。でも、なかなか良い感じで構成してる。期待は持てるかなというところ。

映画『fukushima 50』を見たんですけど、美談になっているよねと思いつつ、当時の首相を悪者にしているのだが、なんというか、これでいいのかと思った次第、東電の責任よりも政府が悪いんだという感じを拭いされない。
で、HBOドラマ『チェルノブイリ』を見てしまいました。
『チェルノブイリ』の場合、ドラマでもきっちり、原因は何か、が追及されている。東電、福島の場合は想定外の津波はあったのは確かだが、なぜ、その程度で抑えてしまった理由まで、つきつめている姿勢がない。どうせならば、関係者に聴取し、「映画だから、いまここで、世界に我々の考え方を伝えるべき」という説得もなく、「起ってしまった」というニュアンスは許せない。
起ってしまったことに対して、どう努力したか、だけで終わらせるのは惜しい。
あと一歩、あと一歩という「突っ込み」がない。
リスク管理の基本は、「それでいいのか」ではないのでしょうか。
作りての自己満足で終わるのでしたら、勿体ないです。
もう一歩、あと一歩、それが作りてに課せられた宿命ではないですか。
桜を見て、満足できるわけではありません。
日本人の悪い癖が出たような気がします。チームでひとつの可能性を追い求めるのを苦手とする国民性、ひとつのアイデンティティーに頼りきる部分が、感じられてしまう。
日本のドラマや、映画に、言いようのない不満を感じるのは、底まで考えていないようなところを見いだされるからなのですが。
それはそれでいい部分も確かにあるが、どこか納得しきれない。

2021年4月3日

最近は電子ブックで読むことが多くなりつつある。今回は、「あ、良かった」と思ったのはイラスト、色付きなんだよね、思わず申し訳ないけど書店で実物を確認してしまいました。

『この地獄の片隅に -パワードスーツSF傑作選』 Armored (2012)editor:J・J・アダムズ(John Joseph Adams)
translator:中原尚哉 Publisher:創元SFブンコSF-ン-10-2 cover/illustration:加藤直之 design:岩郷重力+W.I commentary:岡部いさく 2021/ 3/12 ISBN978-4-488-77202-4

パワードスーツのアンソロジーである。いろいろ趣向を凝らしており、視点は人間側、もしくはスーツ側、未来、過去のスチームパンク風に、ちょっとほんわか系まで、ある。
なかなか良い作品が揃っており、特に作家ごとの作風がいかにもというイメージで書かれているのがおもしろい。
楽しませていただきました。

しかし、一部抜粋であると読み、じゃオリジナルは何があるのと疑問が湧く。信頼できる中原尚哉氏のセレクトに疑問を持つわけではないが、アンソロジーは並んだ順番にも意味がある。
ということで、原書は下記の順番。

カードの序文を読んでみたいな、ちょっと違うような気もする。
ほのぼの系の「猫のパジャマ」をラストに持ってきていたが、原書では序盤、いいなと思った「天国と地獄の星」の前なのねと、赤いドレスも印象的な「アーマーの恋の物語」。
こんな作家だっけと思ったロワチーとショーン・ウィリアムズ。
わりと「ドン・キホーテ」が好み。
ジャック・キャンベルはらしくていい。
未訳の中で気になるのは、ロバート・ブートナー、どんなの書いたんだろうかと。

中原尚哉様、今年はすごい勢いで訳書が出そうで、びっくりしてます。

2021年3月27日

『十日間の不思議』 Ten Day's Wonder エラリイ・クイーン(Ellery Queen)
ライツヴィル三作目で、最高傑作と言う方もおられる作品である。
むかし読んでたはずだけどと思うが、新訳版で読み始めると、一気に引き込まれた。いや、昔は何を読んでたんだと反省しきり。
「後期クイーン問題」とかは避けてしまおう、単純に、完璧な探偵が、この作品で穢されたのだと感じた。
前二作も、そういう作品だったが、ここで加速したようだ。
読んだ結果、ああ、いろいろ考えられる作品なのは間違いないが、どことなく底辺にある宗教色を感じるところから、「穢す」という表現にした。
失敗と言えば言えるが、失敗ではなく、何か違う色合いのものを感じた。
日本では、宗教的な扱いは難しく、民族的な背景にはなかなかなりえないが、例えば「社会問題」「家族問題」「異様な犯人像」「異質な動機」「問題ある犯罪」等々に、この「穢れ」は変化していったように思われる。
傑作、問題作と言われるのも、よくわかるが、エラリイ・クイーンというと、純白なイメージが個人的には持っていた。
だから汚されるようなイメージを感じたんだと思う。

改めて読めてよかった。こんな傑作を忘れているなどとは…

2021年3月20日

『フレドリック・ブラウンSF短編全集』 フレドリック・ブラウン(Fredric Brown)

全4巻が揃った。
一巻目が出たのが、一昨年になるのか、早いものだって、この一年くらいは、かたつむりの歩みぐらいにしか感じられなかったのだが。
ストレスで、いまだに胃は痛いは、足はむくむわで、苦労は絶えないが、新しい仕事で、すこしばかり身体を使うようになって、体力的に元に戻りつつあるようだけど、寄る年波に勝てず、回復力がにぶい。
ヨレヨレしながら、なんとかやっている状態。しかし、読んでいる。

ファンになったきっかけの作家で、一巻目から読み通してみた。
傑作と愚作の振幅の幅があまり大きくなく、それほど違和感なく、読めるのが、驚く。くだらないなと思うアイデアでさえ、傑作の間にあっても、なんとなく存在感を感じさせる。
これ、作者が気負いなく書いているからなのではないかと思う。
このアイデアは傑作だ、とか、こいつは秀作だとかの力を入れず、書いたら、良くなっていたとか、書いたら、こんな出来になってしまったということなんじゃないかと思う。
ダジャレが多いだとか、「なに、これ」も確かにあるが、傑作との落差が少ない。才能なんだろうな。
とっても素敵。
『J・G・バラード短編全集』 J・G・バラード(J. G. Ballard)『カート・ヴォネガット全短篇』 カート・ヴォネガット(Kurt Vonnegut)、と、いっしょに見つめながら、いいなあと思うのです。

で、次は誰をまとめてくれるのか。
ゼナ・ヘンダースン(Zenna Henderson)とか、シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon)ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(James Tiptree, Jr.)ロバート・シルヴァーバーグ(Robert Silverberg)フリッツ・ライバー(Fritz Leiber)デーモン・ナイト(Damon Knight)R・A・ラファティ(R. A. Lafferty)ウィリアム・テン(William Tenn)ロバート・シェクリイ(Robert Sheckley)

全集は無理でも、「50年代作家集」とか、「60年代作家集」とか、「80年代」から、今まではあるのだから、ほんの少し遡ってくれてもいいんだけどなあ。

2021年3月14日
『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳四十年』 田口俊樹を読む。
ほぼ、いっぱい読み始めた時に、訳本が出始めた。ミステリの良い読者ではないが、境界線上の作品も多い。しかし、『オルタード・カーボン』 Altered Carbon リチャード・モーガン(Richard Morgan)には、え、このひとが、と思ったものだ。
ローレンス・ブロック(Lawrence Block)は、読みたいなとずっと思っているのだが、そのまま過ぎそう。
『世界のハーモニー』 Harmony of the World チャールズ・バクスター(Charles Baxter)は、文庫化されていないけど、わたしもつくづく良いなと思ったのを懐かしく思い出します。
『神は銃弾』 God is a Bullet ボストン・テラン(Boston Teran)も読んでいるのだが、あまり記憶がない。
『パナマの仕立屋』 The Tailor of Panama ジョン・ル・カレ(John le Carré)も、読んでいない。
そうだ、思い出した、年取ったときの楽しみのひとつにル・カレがあった。『寒い国から帰ってきたスパイ』とか『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』とか、も一度読もうと思ってたんだっけ。
読むのに苦労する。翻訳されたものですら、いろいろあるのだから、それを読み解く力も必要になる。
一読、翻訳するがわにもいろいろあるわけだから、読むほうも、それなりに読解を要求されるというところでしょう。横を縦にするだけではないのだから、楽しむには、それなりのものが要求されるようにも思う。
違うと思われる方もいると思うが、完璧な訳はないのだから、想像力を働かせてくれるような訳がいいと、勝手に思っています。
けどね、こんなこと言うと、叩かれそうだが、チャンドラーは、…なのよ。

2021年3月6日
Youtubeで「うっせぇわ」を聞く。遅ればせながら、草の根ネットのMIDIからボーカロイドから、よくパソコン音源のものは聞いていたけど、曲調はボカロ。
ボカロでは、グロからエロからなんでもありなので、多少、過激なのはなんとも思わないが、声とのマッチ、声の聞きやすさはいい。
日本語はシラブルなので、節で区切る言葉なので、早いと音に乗りにくいよねとは思ってた。英語のように歌う日本語だとか、それなりの工夫はあるけど、どうなんだろうと思っていたが、初期のボカロの「初音ミクの消失」を聞いたとき、ぶっとんだね、人間はとてもじゃないけど歌えないよねと、一音に一音、ここまでくるとボカロはどうなるのかと思っていたが、それほど遠くまでは行かなかったというところか。
しかし「うっせぇわ」は、そんなに何回も聞きたくはないな。「ギラギラ」の方がいいかも。
なんとなくフレーズに80’年代の匂いがあるのは気のせいか。それとも意図か。
過激な言葉で批判しようとして、直接怒鳴られてるだけでは、なんか違う。ダブルミーニングが良いというわけではないけど、う~む。

『ゲーム・オブ・スローンズ』を第一章から第八章まで見る。
第六章から第八章までの怒涛の展開には、一気に見ると疲れる。おかげでまったく読めず、また書けず、どうも原作者にはファム・ファタール、悪女ものが多いような気もするのだが、デナーレス、竜の王女と、サーセイ(サーシイと聞こえる。)の人間界の女王との一大決戦だが、まあ、二回めなのだが、これでいいのかという感じはある。
S-Fマガジンの酒井昭伸氏のエッセイによると、まだ違うお楽しみがある。ドラマはドラマですね。
イラストレーターの佐治嘉隆氏も亡くなっていた。ブラッドベリの『火星年代記』と『太陽の黄金の林檎』が、別のイラストだったら、読むのがもっと遅かったと思う。
しかし、旧版のため、そのイラストの本はない。画像だけ掲載するわけにもいかず、わかるひとはわかるよねとしか言いようがないな。
ご冥福をお祈りいたします。

2021年2月14日
「その女、ジルバ」の池脇千鶴が凄すぎて、思わず見入ってしまう。いやー、素晴らしい、こんな演技派だっけと思う。
会社員になったのは1980年、昭和55年、その年に産まれた方が、40歳なんですね。いま、63歳になって、思う所あって、定年で引退。
40年か、しかしまだ非常勤で働くので、まだまだ続くけど、もう責任ある地位はしんどいかな、しかし権力への要求を鬼のように持っているひともいっぱいいるけど、そこまでの気力はなし。
会社員20年、いろいろあって一年、起業して10年、会社員で10年、一区切り。SFを読むぞと思うものの、いままで電車の中とかで読んでいたので、家ではなかなか読めない。困ったもんだ。
しかも家では誘惑が多すぎて、余計なことばかりしている。

『炎と血』の一巻目を読んだら、これが驚くくらい断片集、あちゃー、読めないぞ、こんな断片ばかりじゃ、整然と読むには辛すぎるぞと思う。
読み返すには辛いが、テレビドラマは見れる。第一章から再び見ている。通して見るのは、はじめてなので、いろいろ気がつくことがあったが、たぶん、読む側、見る側にも知識というか作品世界の背景を理解しておくことを強要されるようなところがあり、それが少し辛い。
特に名前は、頻出する海外名前が、覚えにくい。日本で、いまいち受けないのは、うじゃうじゃ似た名前が出てくるし、その人間関係の複雑さたるや、戦国時代かくあるし、のような煩雑さ。
たぶん日本人には戦国時代という凄い事実があって、それを紙上に、再演しようとしているように思われる。SFという名を借りて。
いっそのこと日本人の名前に翻案したら、受けるかもって、それはないな。
ともかく正編を早く書いてくだされ。
わたしは待っています。

2021年2月8日
『茶匠と探偵』 The Universe of Xuya Collection #1 アリエット・ド・ボダール(Aliette de Bodard)も候補のひとつでしたね。
落ちてました。すいません。

赤江瀑を読んだのは、1982年の講談社文庫『獣林寺妖変』、収録作品は「獣林寺妖変」「ニジンスキーの手」「禽獣の門」「殺し蜜狂い蜜」。
傑作ばかりで、ひとつひとつに驚いたことが鮮明に覚えている。

『天上天下 -赤江瀑アラベスク〈1〉』東雅夫編、創元推理文庫 F-あ-2-1 2020年12月25日 ISBN978-4-488-50504-2
収録作品、
「海峽──この水の無明の眞秀(まほ)ろば」(1983年8月)
「星踊る綺羅の鳴く川」(小説現代メフィスト 1997年9月増刊号)
「上空の城」(野性時代 1976年6月号)
エッセイ「わが街、蠱惑」「伽羅先代萩」「桃源郷の罠」
「赤江瀑インタビュー」幻想文学 2000年2月 第57号
で、構成されている。「海峡」と「上空の城」は読んではいたが、ほぼ記憶なし。最近、こんなことばかりだ。「星降る綺羅の…」は、なかなか凄い一篇。
正直言ってしまうと歌舞伎とか、能とか苦手で、はっきり言うと知識ゼロ、それでも、耽溺できる作品である。
「野性時代」角川書店の雑誌で、大判で分厚い雑誌だったけど、この頃、1976年から1980年頃、まめに読んでいた。
当時、読んだとき、「上空の城」は、おもしろいと思ったものだが、今回も傑作と思ったが、そのなんというか、展開上のストーリーが時代なのねと懐かしく思った次第、1970年代の香りがあるし、今じゃこのストーリー展開は厳しいよねと思いつつ、半世紀前のリアルを感じ取れたのが良かった。
あと、二冊、いずれ読みなおしたい作家のひとりであったけど、いいタイミングで読ませていただいた。
ありがたいことです。

2021年2月1日
今年もまた、SFベスト10の時期であります。昨年、翻訳された海外SFは、わりと話題作もあったりして、豊作だったのかなと思える。
ベスト10に選ばれるだおうなと思われるのは、

この中でのベスト1になるとさっぱりわからない。けど、個人的にだ、昨年の年末に出た、『マーダーボット・ダイアリー』 The Murderbot Diaries マーサ・ウェルズ(Martha Wells)を、押しておこう。

『宇宙(そら)へ』は良いとは思うが、あざとさが目立つような気がする。同じように『タイムラインの殺人者』も感じる。『歴史は不運の…』もおもしろいんだけど、それほどかと思う。
『三体 2』はいまいちだったし、『ボーン・クロックス』は購入できなかった。分厚いし高いし…、読みたいんだけど、アトウッドの『誓願』も同じです。
『アンドロメダ…』の続編は、なに、これ無茶してんじゃないかというオマージュなのか、突破しようとしているのか、謎。
『空のあらゆる鳥を』もよかったんだけど、あまり覚えていない。『ナインフォックスの覚醒』も同様。
『新キャプテン・…』は、おもしろいが、この作家にはもっと、訳した方がいい作品があるはず。
『サイバー・ショーグン…』は三部作の最終巻だが、おもしろさが少しかけている。
『第五の季節』は、ああ、こういうマイノリティの物語なのはわかるが、日本人のわたし的には、ゆったりしすぎてて、物足りない。
『時間旅行者の…』はアイデアはおもしろいけど、小説かという疑問があるし、『荒潮』は、まったくおもしろく読めなくて、『月の光』は良かったけど、前のアンソロジーに比べると小粒か、『メアリ・ジキルと…』は、ふむふむ、わかるがとっちらかった感じがあるし、『黒魚都市』は、なにがおもしろいのか、さっぱりわからない。
『オルガスマシン』は復刊だし、単行本は持っているが、読んでなかった、今回読んだが、過激とは思わない。
と、いうことで、年末にでた、この二冊、『2000年代海外SF傑作選』 editor:橋本輝幸(Hashimoto Teruyuki)『2010年代海外SF傑作選』 editor:橋本輝幸(Hashimoto Teruyuki)は、来年の評価でしょう。

韓国の作家もわりと出ているし、評判は高いのだが、触手がまったく動かなかったので読んでません。たぶん、上位に一冊は食い込んでくるでしょう。
と、いうことで、アンソロジーに期待して『シオンズ・フィクション』あたりかなと思われる。たぶん、2位か5位あたり。
けどね、どうにも宗教がらみの部分もあり、何か読み間違えてるのかなと思わないでもない作品もある。
トップはわかりませんが、『空(そら)へ』かなあ。
しかし、東京創元社と早川書房と竹書房だけなんで、河出とか白水とか、国書とか、新潮、講談あたりに凄いのがあるかもしれません、資金と気力の続くかぎり読んでみたけど、去年は本当に疲れた年だったので、かなりな読み間違いをしている可能性はあるのだけど。

2021年1月25日
『災厄の町』 Calamity Town エラリイ・クイーン(Ellery Queen)

昔、学習雑誌、小さい子向けにはあるようだけど、小学生、中学生、高校生には絶滅種らしい。その付録に、ちっこい手帳サイズの特集があった。
アブリッジされた小説とか、『怪奇はこれだ』とか『SF入門』とか、あった。その中に『トリック百科』みたいなものがあった。ミステリのトリックを集めたもので、出典は明らかにしてないけど、有名なトリックを集めたもので、何度も何度も読み返したものである。
崖に向かって、歩く足跡とか、傷跡がいっぱいあるとか、そんなのがいっぱい、子ども心に、よくわからないなあというトリックもあった。
それが、あ、これかあと思った。
トリックだけ抽出すると、「そんなもん、すぐわかるじゃん」と思っていて、「こんなのはトリックにならん」と、ずっと思っていた。
まさか、それがこの作品だとは、まったく想像もしていなかった。
本の半分近くで、ようやく事件が起きる。
それまでは、しつこいくらいの家庭の事情が書かれる。なんなんだよと、昔は思ったかもしれないけど、今は、ゆっくり読める。
いや、まあ、そうなんですね、久々にびっくりしました。
良い読者ではないミステリ読みだけど、いまさら、こんなに衝撃を受けるとは、思わなかった。
改めて思うけど、読まず嫌いは、良くない、けど、たまに読むと衝撃を受ける。
おもしろい、さて、読まず嫌いは、いくつかあるが、次は誰を読もうか。

2021年1月17日
『フォックス家の殺人』 The Murderer Is Fox エラリイ・クイーン(Ellery Queen)の新訳版が出た。
クイーンというと、あまり読んでないのは確かなんだけど、有名なライツヴィルもの、本人は読んでないと思い込んで、読み始めてみると、わりとおもしろい。あれ、こんなにおもしろかったっけと思いつつ、読了。
ふと、リストを見ると、大昔に読んでいたようだ。『十日間の不思議』は読んでいるのは間違いないが、これ、読んでたっけと首を傾げる。ネタ的には有名なトリック(と言えるのか?)なんで、たぶん読んでるんだろうけど、まったく記憶になかった。
純粋に楽しめたのは、驚きでした。若いときは、なにがなんでも読んでやろうという想いだけで、すっ飛んでいたので、少し余裕ができて行間を楽しめるようになったのかもしれない。
ちょっと読んでみようかなという気持ちにもなる。
『短編ミステリの二百年』を読んでいると、これも読んでないとか、あれも読んでないとかという気分になるので、なにかしら、読む意欲を起こさせるものでもある。
『災厄の家』を読んでないんだよね、しかし、気になるSFはいっぱいであるのに、そんなにお金はないぞ。

2021年1月12日
しかし、なぜ2月7日までの緊急事態宣言なのかなと思っていたけど、2月にオリンピック組織委員会があるのね、「抑え込んだから、さあ大丈夫です」と言いたいわけね、でもね、現状把握できないご老体ばかりが、堅い頭で考えて、理想的な姿に持っていこうとしているんだろうけど、自分もそうだけど、年齢を重ねると、理想的な姿を追い求めるのはわかるけど、あんたら国民の生活や命が掛かっているものと、自分たちのプライドを考えたときに、「どっちが大事なんですか」と聞いてみたいんですけど。
答えは、卑屈なニヤニヤ笑いか、激高した、眉毛の吊り上がった(-_-メ)で、「当たり前じゃないですか」と心にあるものと違うことを言う。
この国の政治家と言われるひとたちの哀しい性が、いつ産まれたのだろう。
「貧すれば鈍する」という諺があるが、「政治家すれば鈍する」に変えればいい。
失敗すれば、「市中引き回しのうえ、獄門さらし首」にすべきひとたちでは、ないのか。潔いという言葉を知らないのか。なぜ、こんなグズグズする国になったんだ。


『短編ミステリの二百年4』 editor:小森収(Komori Osamu) 創元推理文庫(Sogen Mystery bunko)
cover:柳智之 design:中村聡 2020/12/25 ISBN978-4-488-29905-7

今回もたっぷりの解説と良いセレクトで、読み応え充分。
解説は、読めば読むほど、いろいろ考えることもあって、どう、このリストに反映させようかと思っている。
いつもながら、素晴らしい。
遅くなりましたが、ありがとうございます。

2021年1月6日

『万物(ばんぶつ)の尺度を求めて -メートル法を定めた子午線大計則』 The Measure of All Things ケン・オールダー(Ken Alder)

たまたま2006年発売の作品が並んだけど、読みたいなと思って、そのままになっていて、今頃、読んでいる次第。
なぜ、読みたいと思ったのか、子どもの頃に、ふと思ったメートルって何。
朝の日課は、かつおぶしを削ることだった。かつおぶし削り器で、「かしかし」と削る。薄く掻いた方がおいしい。かつおぶし削り器とはいえ、「鉋」をさかさまにした形。どうしても毎日、削っていると刃が引っ込んでしまう。そうすると、裏から刃を叩いて、調整する。一度、叩きすぎて、刃が出過ぎて、まともに削れなくなってしまった。
子ども心に「まずい」と思ったわけで、おふくろに言うと、「大工さんのとこ、行っといで」と言われる。大工さんは、家の一軒向こうのお宅で、棟梁の家だったので、当時、いなせな若い衆が出入りしていた。「もんもん」の方々が多くて、「はっぴ」を着て、とても近寄りがたかったが、恐る恐る削り器を出すと、「おお、これは出過ぎてるな」と、言って、固くはまりこんでいた「刃」を一発で取り出し、しかも砥いでくれた。その時に、大工道具を見る機会があり、とっても不思議な形の道具が多かった。置きに入りは「金尺」、しかしセンチではない。学校ではメートルを教わっていて、昔からの尺度が、さっぱりわからない。
一尺とか寸とか、なぜふたつも測り方があるの、当時、テレビで洋画が好きで見ていて、何やら、ヤードとかフィートとか、それは何。
ものの長さを図るのに、いくつも測り方がある。なぜ、どうしてなのと思う。
日本とアメリカとイギリスとが違い、「世界の国の街」を歩き回る番組を見ていると、フランスとイタリアはメートルなのか、と気づく。歴史書を紐解けば、始皇帝は度量衡を統一したとある。
基準は大切である。しかし、そのもとになったのは、どう測ったのでしょうか。
その答えが、この本だった。
しかもフランス革命下のフランス、フランスの数の数え方のややこしさは知っているけど、この国で、そのメートル(mètre)を測定した。子午線を測定し、そこからメートルを導き出したのである。
パリを起点に北はダンケルク、南はスペイン、バルセロナまで測定したのである。しかもフランス革命の真っ最中。
伊能忠敬の偉業も凄いが、まだ国内は平安であった。
革命で価値観が揺らぐなか、ただひたすら科学的真実を求めて、三角測量をしつつ旅をする。
しかも、その測定結果になにやら疑問符がつくらしい。

地味な話であるのは、間違いないが、とてもおもしろかった。いや、すべてのひと向けではない。大部であるし、長い。
それでも、良かった。真実を探す努力を忘れないようにしたいものだ。
知ったいまでは、メートルって、フランス語っぽいよねと思うなり。

2021年1月3日
あけましておめでとうございます。
早くCOVID-19の惨禍が治まりますように。

『完璧な赤 -「欲望の色」をめぐる帝国と密偵と大航海の物語』 A Perfect Red エイミー・B・グリーンフィールド(Amy Butler Greenfield)

大航海時代は、興味があり、いずれ、『大航海時代叢書』なども読みたいなと思っていた。
そんな時代の本に、この魅力的な題名の一冊があった。
かねてから疑問に思っていたのが、カリブの海賊が、金銀財宝を狙ってカリブからスペインへ向かう帆船を襲う。そして奪った金銀財宝の前で、ニタリと笑う。
しかし、マヤ文明に何十年にも渡るほどの金銀財宝があったとは思えない。南米産のトマトやらじゃがいも、それともタバコを運ぶにしても、奪うだけの価値が、どれだけあるのだろうか。
胡椒のように、わずかな量でも価値を産むものでないと、海賊行為はなりたたない。
物量を必要とするものは、簡単には奪えない。いちいち奪ったあと、沈める行為をしていたら、手間も時間もかかる。
ひょいと人間ひとりが担げて、それでも充分な価値のあるものが必要だ。一度、某社で1オンスの金の延べ棒を持たせてもらったことがあるが、その重いこと重いこと、2、3本まとめて運ぶとなると、落とすというレベルであった。
20~30キロあれば、とりあえず換金できて、少しは生活できるもの、しかも特定されにくい代物でなければならない。
そんなものがあるのかという、疑問があったが、この一冊で氷解した。

コチニールだ。
ウチワサボテンに張り付いている小さい虫だが、長く昆虫か植物かという議論もあった。それぐらいわかりにくいものらしい。
アラブで珍重される「乳香」という樹木の分泌物があるが、人間の経験則から導き出される様々な行為は、実に深いものがある。
日本では、赤というと「朱色」に近い黄色みを含むものが多いが、この天然由来の動物性色素は、「スカーレット」という赤だ。不純物の少ない赤だ。
下地に黒を塗って、赤を塗ると深みを増すとか、白を塗って、赤を塗るとはっきりした色目になるとか、学生の時に、油絵を少し書いたが、その時に教わった。
黒を下地に赤を塗るものに近いらしい。現在は、コチニールを利用したものは、伝統工芸としてしか残っていないらしい。
きんきらきんに飾り立てた部屋で、赤い衣装は、確かに目立つ。
赤は人類の求める素敵な色だ。
戦隊ものでも、赤はリーダーである。

コチニール、濡れてしまうと価値が下がるが、これなら担いで運べるだろう。
スペインとイギリスの深い因縁もここに原因があるのかもしれない。
いろいろ意味でおもしろい一冊だった。
でも文庫になっていないし、古本でしか手に入らない。けど、おもしろかった。

Update:2021