ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)

フリッツ・ライバー

Fritz Leiber

1910/12/24-1992/ 9/ 5 U.S.A.
Authors List

(Fritz Reuter Leiber, Jr.)
イリノイ州シカゴ出身。父親のフリッツ・ライバー・シニアは映画俳優。息子のジャスティン・ライバー(Justin Leiber)は、哲学者。

SFを読んでいて、よかったなあと感じる時がある。そう、ばっちし自分の嗜好と合う作家と巡りあった時だ。ライバーと巡りあった時もそれを感じた。『年刊SF傑作選7』に収録されていた「冬の蠅」。描写の妙、たぶん私自身に純文学の素養がないために、はまったのであろうと思う。深淵さを垣間見させる小説技術に惚れ込み、探しだした「ラン・チチ・チチ・タン」や、「骨のダイスを転がそう」にいかれてしまった。
心の闇に迫る超絶技巧を感じさせる作家。まさにそれが、フリッツ・ライバーである。

ファファード&グレイ・マウザーが脚光を浴びる部分もあるが、この作家の本質は、それ以外の短篇にこそあるのだ。
猫のガミッチものもいいけども、「正気と狂気」、「ミュータント兄弟」、時間逆行テーマものの「若くならない男」他にも同テーマの作品はあるけども、「セールスマンの厄日」、「マリアーナ」、「237個の肖像」、「骨のダイスを転がそう」、ファンタジーなのか、それともというすさまじい「影の船」、オルタネート・ワールドものの傑作「あの飛行船をつかまえろ」、問題作「ベルゼン急行」実にいい。

作者渾身の改変戦争シリーズ、どこの出版社でもいい。なんとか再評価の機会を。それを祈っている。


と、書いてから幾星霜、いや、たぶん15年くらい、残念ながら時代の中に埋もれつつあるように思う。
それはそれでしかたないだろう。時の流れには逆らえない。まあ、老後の楽しみのファファード&グレイ・マウザーを読みながら、ゆったりと過ごしたい。
そんな再読に耐えられる作家を知ることは、とても幸運なことだと思います。

Novel

『闇よ、つどえ!』 Gather, Darkness (1950)

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『ビッグ・タイム』 The Big Time (1961)

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『放浪惑星』 The Wanderer (1964)

『妻という名の魔女たち』 Conjure Wife (1969)

『闇の聖母』 Our Lady of Darkness (1977)

ファファード&グレイ・マウザー(Fafhrd and the Gray Mouser)
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『魔の都の二剣士』 Swords and Deviltry (1970)

『死神と二剣士』 Swords Against Death (1970)

『霧の中の二剣士』 Swords in the Mist (1968)

『妖魔と二剣士』 Swords Against Wizardry (1968)

『ランクマーの二剣士』 The Swords of Lankhmar (1970)

Collection
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『バケツ一杯の空気』 A Pale of Air (1964)

『闇の世界 《夜と闇のファンタジー》』 A Bit of the Dark World

『跳躍者の時空』

Short Fiction

「煙のお化け」 Smoke Ghost (Unknown 1941/10)

「魔犬」 The Hound (Weird Tales 1942/11)

「蜘蛛の館」 Spider Mansion (1942)

「ミュータント兄弟」 The Mutant's Brother (Astounding 1943/ 8)

「正気と狂気」 Sanity (Astounding 1944/ 4)

「若くならない男」 The Man Who Never Grew Young (Night's Black Agent 1947)

「飢えた目の女」 The Girl with the Hungry Eyes (1949)

「先住種族」 Later Than You Think (Galaxy 1950/10)

「死んでいる男」 The Dead Man (Weird Tales 1950/11)

「ジェフを探して」 I'm Looking for Jeff (Fantastic 1952/Fall)

「レントゲン写真」 X Ray (1952)

「ビッグ・ホリディ」 The Big Holiday (F&SF 1953/ 1)

「セールスマンの厄日」 A Bad Day for Sales (Galaxy 1953/ 7)

「男が悲鳴をあげる夜」 The Night He Cried (editor:Frederik Pohl Star Science Fiction Stories 1953)

「おわり」 Last (F&SF 1957/ 3)

「時間劇場」 Time in the Round (Galaxy 1957/ 5)

「果てへの旅路」 The Big Trek (F&SF 1957/10)

「過去を変えようとした男」 Try and Change the Past (Astounding 1958/ 3)

「獣の数字」 The Number of the Beast (Galaxy 1958/12)

「地獄堕(お)ちの朝」 Damnathion Morning (Fantastic 1959/ 7)

「現代の呪術師」 The Warlock (1959)

「マリアナ」 Mariana (Fantastic 1960/ 2)

「夢の卵」 Hatchery of Dreams (Fantastic 1961/11)

「電気と仲よくした男」 The Man Who Made Friends With Electricity (F&SF 1962/ 3)

「アダムズ氏の邪悪の園」 Mr. Adam's Garden of Evil(Dr. Adams' Garden of Evil) (Fantastic 1963/ 2)

「交通戦争」 X Marks the Pedwalk (Worlds of Tomorrow 1963/ 4)

「子供たちの庭」 Kindergarten (F&SF 1963/ 4)

「剣と魔法」 Success (F&SF 1963/ 7)

「237個の肖像」 237 Talking Statues, Etc. (F&SF 1963/ 9)

「変化の風が吹くとき」 When the Change-Winds Blow (F&SF 1964/ 8)

「心安かれ」 Be of Good Cheer (Galaxy 1964/10)

「月面上の決闘」 Moon Duel (If 1965/ 9)

「新しき良き時代」 The Good New Days (Galaxy 1965/10)

「アーカムそして星の世界へ」 To Arkham and the Stars (1966)

「電話相談」 Answering Service (If 1967/12)

「一八四九年、九月末、リッチモンド」 Richmond, Late September, 1849 (Fantastic 1969/ 2)

「影の船」 Ship of Shadows (F&SF 1969/ 7)

「モーフィー時計の午前零時」 Midnight by the Morphy (IF 1974/ 8)

「あの飛行船をつかまえろ」 Catch That Zeppelin! (F&SF 1975/ 3)

「ベルゼン急行」 Belsen Express (The Second Book of Fritz Leiber 1975)

Nonfiction/Etc.

「戦慄の体験こそ一服の刺激剤だ」 Wonder and Terror (editor:(Kirby McCauley) Frights 1976)

Juvenile

「けむりのお化け」 Smoke Ghost (Unknown 1941/10)

List
Update:2023