ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)

スタニスワフ・レム

Stanisław Lem

1921/ 9/12-2006/ 3/27 Poland
Authors List

初期表記は、スタニスラフ・レム。途中からスタニスワフ・レムで統一されていく。

知性派として有名。名作も数多いが、たまにわけのわからない作品もある。
読めば読むほど、この作家の壮絶さは、よくわかる。
最初に読んだのは、『宇宙創世期ロボットの旅』。実は、岩波ホールで、『惑星ソラリス』を見たほうが早かったはずである。
タルコフスキーのわけわかんなさと、あのたよとう(あくまでも、良い表現を心がける。まったくなんという「トロいんじゃ」とは思わない。)雰囲気に絶句する。
少なくとも2、3度は見ているはずである。
岩波ホールの前の席に座っていたひとが、半分以上、睡眠状態であったが、無理もない話。しかし、あの海の描写はよかった。本で読んでもよかった。
その後に『砂漠の惑星』。『ピルクス物語』。あー、ハンバーガーにはいっているのは。ピクルスか。

知的興味としてのユーモアものを考えた時に、レムの『泰平ヨン』を思い出す。もしくは、『完全な真空』タイプか。
『捜査』や『浴槽で発見された手記』は、なにがいいのかわからないが好き。

もだえ苦しむように本の大海を漂うとき、ふとしたことから、何が原点なのかなと思うとき、眼前にソラリスの海が広がる。
ただ、ただ変化するその海は、人間の理性とか知性とか感情が何かを問いかけているように思う。
だからこそ、すべてを捨て去りたくなったとき、あのクリスのように、ありもしない島に佇む姿を描くとき、自分が理解できるものばかりでもなく、その全貌を理解し把握できるはずもないものもある。
降る雨のなかで、うろたえず呆然と、あるがままを受入れることも、また大切なのかもしれない。

Novel

『金星応答なし』 Astronauci (1951)

『捜査』 Śledztwo (1959)

『エデン』 Eden (1959)

『ソラリスの陽のもとに』 Solaris (1961)

『星からの帰還』 Powrót z gwiazd (1961)

『浴槽で発見された日記』 Pamiętnik znaleziony w wannie (1961)

『砂漠の惑星』 Niezwyciężony (1964)

『天の声』 Głos pana (1968)

『枯草熱』 Katar (1975)

『大失敗』 Fiasko (1986)

Collection

『宇宙飛行士ピルクス物語』 Opowieści o pilocie Pirxie (1971)

『宇宙飛行士ピルクス物語』 Opowieści o pilocie Pirxie (1971)


『完全な真空』 Doskonała próżnia (1971)

『すばらしきレムの世界1』 Opowiadania (1969)

『すばらしきレムの世界 2』 Opowiadania (1969)

『レムの宇宙カタログ』 The Best of Stanisław Lem

『虚数』 Wielkość urojona (1973)

『高い城/文学エッセイ』

『天の声・枯草熱(こそうねつ)』 (1968)

『短篇ベスト10』 Fantastyczny Lem

『主の変容病院・挑発』 Szpital Przemienienia

ツィベリアダ(Cyberiada)

『宇宙創世期ロボットの旅』 Cyberiada (1967)

『宇宙創世期ロボットの旅』 Cyberiada (1967)

『ロボット物語』 Bajki robotów (1964)


「完世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」 Kobyszczę (1971)

「トルルの機械」

「みごとな青あざ」

「赤鉄王子と水晶王女の物語」 O Królewiczu Ferrycym i królewnie Krystali (1967)

泰平ヨン

『泰平ヨンの航星日記』 Dzienniki gwiazdowe (1971)

『泰平ヨンの航星日記』 Dzienniki gwiazdowe (1971)

『泰平ヨンの航星日記』 Dzienniki gwiazdowe

『泰平ヨンの回想記』 Dzienniki gwiazdowe (1971)

『泰平ヨンの現場検証』 Wizja lolalna (1982)

『泰平ヨンの未来会議』 Kongres futurologiczny (1971)

Short Fiction

「君は生きているのか?」

「世界は八時に終わる -アメリカ物語」 Koniec Swiata O Osmej(Bajka Amerykanska)

「タラントガ教授の奇妙な客」 Dziwny Gosc Proffesora Taranrogi (1977)

「137秒」 S To Trzydziesci Siedem Sekund (1977)

「マスク」 Maska (1977)

「ゴーレムXIV」 Golem XIV (1981)

「王女イネファベル」 The Tale of the Three Story-telling Machines

「第七番目の旅 -なぜトルルの完璧さが不幸な結果をもたらしたのか」 The Seventh Sally

「我が身、僕にあらざらんことを」 Non Serviam

「一分間」

Nonfiction/Etc.

「ペテン師に囲まれた幻視者」 Philip K. Dick: A Visionary Among the Charlatans

「コンベヤーからファンタジイ」

「プロメテウスの火」

「レム、SF映画を語る」

「地上には楽園は存在しないかもしれない」 Ne mozhet byt' raja na zemle

「世界のSFの九十九パーセントはわたしの好みに合わないな」

「対立物の統一 ホルヘ・ルイス・ボルヘスの散文」

「飽くなき現実の探究者」 Lem: Science Fiction's Passionate Realist

「メタファンタジア あるいは未だ見ぬSFのかたち」 Meta-Fantasia

「スタニスワフ・レム=インタビュー」 AN Interview with Stanisław Lem

「サイエンス・フィクションにおけるロボット」 Robots in Science Fiction

「フィリップ・K・ディック 俗物に囲まれた幻視者」 Philip K. Dick: A Visionary Among the Charlatans

「まるで茸取りの名手のように」

「果てしなき知をめぐって 読み/認識の不完全性」 An Interview with Stanisław Lem

「わが人生の回想 」 Reflections on my Life

「レム、科学と文学を語る 1994年7月、スタニスワフ・レムとの書面インタビュウ」 Lem in Nurtshell (A Stanisław Lem Reader 1997)

「アーシュラ・K・ル=グイン評とその反論」

「宇宙からの声」

「これからのSFについてソ連の作家はどう考えるか」

「2000年の学生像」

Juvenile

『死の金星都市』 Astronauci (1951)

『ヨン博士の航星日記』 Dziennki gwiazdome

Update:2023