ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)

ロビン・クック

Robin Cook

1940- U.S.A.
Authors List

ニューヨーク生まれ。ウェスレイアン大学とコロンビア大学で医学を学ぶ。ハーヴァード大学の教壇にも立つ。ボストン在住で、病院で眼科担当。医療もの(医学ミステリーもしくは医学サスペンス(Medical Mystery))という新ジャンルを確立したようだ。それまでもいろいろあったが、ひと時代を築いた功績は大きいと思う。けど、あまり読んでない。
参考例:ジェフリー・ハドスン『緊急の場合は』トマス・L・ダン『狂った致死率』
ハドスン=マイクル・クライトンの場合、この方面の著作も多い。SFでも有名な『アンドロメダ病原体』もこの分野に入るようにも思う。『緊急救命室ER』の原案者だしね。ある意味、現代医療への疑問の問いかけだが、ともすれば、ある一部分だけを取り上げると、アイラ・レヴィンの『ローズマリーの赤ちゃん』クーンツの『デモン・シード』みたいなキワモノめいた話にもなってしまう可能性もある。SFではサイボーグなんだろうな。正面きって、サイボーグを扱ったフレデリック・ポールの『マン・プラス』はもはや古典か。
日本には医療ものというと、山崎豊子『白い巨塔』や門田泰明(黒豹だけではないのだよ)、渡辺淳一(『失楽園』だけではないのだよ)の諸作等のようなどちらかというと人間関係に重きを置く。医療行為そのものへの問いかけの名作はマンガに多い。手塚治虫の『ブラックジャック』や佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく』などや、軽めでは『研修医ななこ』。医療制度と医療行為への疑問を底流にした問題作はまだまだ名作が発生する可能性があるはずだ。特に、ウイルス系のややこしい病気の多い今、このジャンルはもっと伸びていくと思う。
問題は、基本的な医療知識をどのように培うかにあるのだけど。現役のお医者さんには、なかなか書ける時間はなかろうけども。

と、書いたのは何年前か。海外テレビドラマの『Dr.HOUSE』を見ていると、おお、まだまだ、この分野は可能性があるんだねえと関心してしまう。医者を主人公にした場合、その主人公自身の性格をうまく構築しなければならないようだ。巨悪に立ち向かう、もしくは権力に媚びるかどうかの社会派的な要素を、日本では求められる。しかし、なかには『ドクターヘリ』のような、なぜか能天気なものもある。
ひねくれもんだけど、熱い気持ちを持つ屈折した主人公って、日本ではねえ。現実が屈折してるから、ドラマにはストレート性が必要なのかと思う。
医療系ミステリは難しいのは確かだが、うまくいくと傑作になるんだよね。

Novel

『コーマ -昏睡』 Coma (1977)

『スフィンクス』 Sphinx (1979)

『ブレイン -脳』 Brain (1981)

『フィーバー -発熱』 Fever (1982)

『神を演じる者』 Godplayer (1983)

『マインドベンド -洗脳』 Mindbend (1985)

『アウトブレイク -感染』 Outbreak (1987)

『モータル・フィア -死の恐怖』 Mortal Fear (1988)

『ミューテイション -突然変異』 Mutation (1989)

『ハームフル・インテント -医療裁判』 Harmful Intent (1990)

『ヴァイタル・サインズ -妊娠徴候』 Vital Signs (1991)

『ブラインドサイト -盲点』 Blindsight (1992)

『ターミナル -末期症状』 Terminal (1993)

『フェイタル・キュア -致死療法』 Fatal Cure (1993)

『アクセプタブル・リスク -許容量』 Acceptable Risk (1994)

『コンテイジョン -伝染』 Contagion (1995)

『クロモソーム・シックス -第六染色体』 Chromosome Six (1997)

『インヴェイジョン -侵略』 Invasion (1997)

『トキシン -毒素』 Toxin (1998)

『ベクター -媒介』 Vector (1999)

『アブダクション -遭遇』 Abduction (2000)

『ショック -卵子提供』 Shock

『シージャー -発作』 Seizure

Short Fiction

「真新しい死」 Brand New Dead

Nonfiction/Etc.

「ロビン・クック来日インタヴュー」

Update:2023