モルデカイ・ロシュワルト
Mordecai Roshwald
1921- Israel
ポーランド生まれのイスラエル人作家。
二作とも第三次世界大戦もの。東西の緊張が高まっていた時期のもので、色褪せる状況であることを喜ぶ限りで、こうした時代が再び来ないことを祈るだけである。
第三次世界大戦による破滅テーマは時事的な意味合いが強いが、当時の文化的な部分を知るには、充分なテキストであると言える。
文学的には、生き残れる作品は少ないけど、この二作とも、パロディ的な色彩も強く、生き残る作品であるように思う。
時代に常に取り残されてしまう作品が出現するのは、SFの宿命でもある。
けれど、(いかなる普遍的なテーマを扱おうとも、その科学的なアプローチの方法はすでに発表された段階で過去になってしまうのだ)それでも生き残れる作品は、何か永遠に通じる視点が存在するように思う。
Novel
『レベル・セブン(第七地下壕)』 Level Seven (1959)
- translator:小野寺健(Onodera Takeshi) Publisher:彌生書房(Yayoi Shobo)
- cover:真鍋博(Manabe Hiroshi) commentary:小野寺健(Onodera Takeshi) 1960/ 9
- 『レベル・セブン』translator:小野寺健(Onodera Takeshi) Publisher:サンリオSF文庫(Sanrio SF bunko)5-A
- cover:横山明(Yokoyama Akira) commentary:小野寺健(Onodera Takeshi) 1978/ 7/25
『世界の小さな終末』 A Small Armageddon (1962)
- translator:志摩隆(Shima Takashi) Publisher:ハヤカワノヴェルズ(Hayakawa Novels)
- cover:杉村篤(Sugimura Atsushi) commentary:志摩隆(Shima Takashi) 1964/12
- translator:志摩隆(Shima Takashi) Publisher:ハヤカワ文庫(Hayakawa bunko)NV33
- cover:桜井一(Sakurai Hajime) commentary:志摩隆(Shima Takashi) 1973/ 1/31
Update:2023